
あなたは実業家について、次に挙げるようなことを知りたくないでしょうか?
- 実業家とは、どういう人のことをいうのか
- 実業家と起業家、事業家の違いについて
- 実業家になるには、どうしたら良いのか
- 実業家が言った参考になる名言について
実業家や青年実業家という言葉を知っているもしくは、聞いたことがある人も多いと思いますが、実際のところ実業家というのが、どういう存在の人でどうすれば実業家になれるのかについて、詳しく知らない人もいるかと思います。
きっと、この本文を読み終えるころには実業とは、どういう人なのかについて理解が深まることになるでしょう。少なくとも、実業家のあるべき姿について知るキッカケを掴むことになるのは、間違いありません。
目次
1.実業家とはどういう人なのか
実業家というのは、実業の事業を行う人です。
・実業家
商業や工業など,生産・経済に関係した事業を営む人。
大辞林 第三版実業すなわち生産・流通・販売などの過程における事業を行う人物。多くの場合、企業経営者もしくは企業の幹部と同義語である。
Wikipedia
実業というのは、各辞書や情報サイトによっても多少定義が異なりますが、簡単に言うと、世間一般からみて真っ当な事業を行っている人を意味しています。
ちなみに、私なりの「実業家」の定義は、次に挙げるようなモノです。
- 社会に対して事業を通しプラスの価値を提供している人
その事業の規模に違いはあるでしょうが、プラスの価値を継続して提供しているかどうかがポイントです。
1-1.実業と虚業の違い
実業と虚業の違いは何かという話しや論争になることがあります。
それだけ明確な違いを理解している人が少ないからだと思いますし、その時は実業だったと思っていた会社がしばらく時間が経過すると、実業ではなく虚業であったということがあるからだと思います。
ですが、実業と虚業というのは、次に挙げる条件を満たしているかどうかによって明確な違いがあります。
- その商品やサービスを利用した人の生活の質が向上したかどうか
- 人に役立つこと価値を提供して、その対価としてお金を頂いているかどうか
それが出来ているのであれば実業であり、そうではなく他人から価値を奪うことで対価をもらう(奪う)ことは、全て虚業です。
よく「お金を稼げているのは、他人に価値を提供しているからだ」という人がいますが、必ずしもそうではなく間違った認識です。
なぜなら、お金を稼ぐというのは、他人に価値を提供する以外にも価値を奪うことでも稼げてしまうからです。
つまり、そういう認識の人は実業でお金を稼ぐのと、虚業でお金を稼ぐという意味を、ごちゃ混ぜにして論じているということになります。
勿論、価値を奪うことでお金を稼ぎ続けることができるほど、世の中は甘くなく、そういう類のお金を稼いでいる(虚業)人は、1~3年程度で行き詰っていることが多いと思います。
一番悪質だと思う虚業の典型というのは、最初から他人から価値を奪うことを目的として「誰でも簡単に儲かります・・・」というような宣伝を行い全く価値のない商品やサービスを販売して、売り逃げするような行為です。
ちなみに、虚業というのは、次のような意味です。
- 虚業
〔「実業」からもじって作られた語〕投機的な堅実でない事業。大衆をだますうさんくさい事業。
- 虚業家
投機のような堅実でないことや,名目だけの会社を作って利益を得ようとするような事業をする人。
大辞林 第三版
1-2.実業家と起業家と事業家の違い
実業家と起業家と事業家の違いですが、基本的に大きな違いはありません。
- 実業家
商業や工業など,生産・経済に関係した事業を営む人。
- 起業家
新しく事業を起こし,経営する者。
- 事業家
事業を企て,経営する人。また,これに巧みな人。
大辞林 第三版
実業家に関しては、先程私なりに定義したように「社会に対して事業を通しプラスの価値を提供している人」ですが、起業家と事業家についても同様です。
ただし、実業家・起業家・事業家それぞれの役割とその事業を行うまたは携わる時期が違うということです。
私が定義するとしたら、起業と事業家というのは次のようになります。
起業家とは、
- モノ、お金、情報など全くの0(ゼロ)の状態から事業を開始する人
いわゆる、創業経営者(社長)になります。
事業家とは、
- 既にある事業を拡大させていく人
- 既にある事業をやめて業態を変革していく人
事業を0(ゼロ)から開始する起業家とは違います。2代目以降の社長や外部から招かれるようなプロの経営者などが事業家です。
つまり、起業家および事業家というのは、実業家というベースがありその上で、起業家と事業家に分かれているということです。
また、起業家については「全ての起業家に伝える!起業家のあるべき姿と起業家精神」にて、起業家のあり方や起業家精神そして成功している起業家の特徴などについて詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2.実業家になり成功していくには
実業家になり成功していくには、いくつかのことをしていく必要があると思います。
実業家になるということを、免許制や資格制度があるわけでもないので、考え方によっては誰でも簡単になれると言えば、なれます。
しかしながら、少なくとも実業家として成功していくのには、誰でも簡単に知識も準備もなく実業家になることはできないと思います。
また、簡単に実業家になったとしても継続した事業を行っていくことは、そう簡単なことではありませんので正しい知識を持ち適切な準備をしっかりとしていくべきだと思います。
2-1.実業家になる理由を決める
まずは、実業家になる・なりたい理由を決めるべきだと思います。
最初の頃は極端な話し、反社会的な理由以外であれば、何でもよいと思います。
例えば、次に挙げるような理由
- お金持ちになりたい
- 自分で事業をやりたい
- 人に使われるサラリーマンは嫌だ
なぜなら、その理由によって実業家になれるのかどうかが決まるからです。
その理由が明確かつ強烈なモノであればあるほど、実業家になれる可能性が高くなりますし、困難な状況になった際に乗り越えていく原動力になるのが、実業家になる理由だからです。
「実業家になっても、ならなくてもいいや・・・」とか「実業家になれたらいいなぁ・・・」というレベルの弱い理由であれば、まず実業家になることは、できないと思います。
また、実業家になって、何をしたいのか?を明確にすべきです。
「単に実業家になりたい!」ではなく、「実業家になって、〇〇がしたい」という現実的なことを決めておいた方が良いと思います。
実業家になる理由と実業家になって〇〇がしたい、というモノが自分の中に明確かつ強烈にあれば迷うことがなくなりますので。
2-2.事業について勉強する
事業というものがどういうものなのか、どうすればうまくいくのかいかないのかなど、とにかく徹底的に勉強することに尽きます。
実業家として事業を行っていくにあたり、無知ということは許されません。許されないというのは、事業を行っていくことができないもしくは、無知の状態では事業継続は不可能ということです。
事業について勉強すれば必ずしも事業がうまくいき成功するというコトはありませんが、少なくとも無知な人に比べれば遥かに成功の確率は高くなるのは間違いないと思います。
私自身も、起業前(事業を開始する)の大学の4年間で起業、経営、社長、経済、金融、成功哲学(自己啓発)、古典など少なくとも500冊以上は読破してきました。
勿論、起業後(事業開始後)も読書は欠かしたことはありませんので累計にすると1,000冊単位では読破していると思います。起業して成功している多くの起業家や実業家も読書家の人が多いです。
また、私自身も事業成功の要因の1つに間違いなく読書があると確信しています。
起業成功に関しては、「起業成功するために、絶対に知っておきたい7つのこと」で起業成功のための条件や必要なスキルなどについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
3.実業家として事業を開始するには
実業家になることを決めて、事業について勉強した後に実際に事業を開始していくまでに必要なことを紹介していきたいと思います。
3-1.事業内容と事業規模を決める
実際にどんな事業をするのかを決めます。
実業家になりたいと思ってから、やる事業を決める人もいれば、やりたい事業があるから実業家になるという人もいると思います。
いずれにしても、どんな事業であろうがその事業で実業家として、生計を立てかつ事業としても成立させていかなければなりませんので、慎重に決めなければならないと思います。
当然ながら、単なる思いつきなどではなく事業として成立することが見込める事業でなければなりません。
起業アイデアについては「起業アイデアが見つかる!絶対に知っておきたい6つのこと」でアイデアの発見法やリスクが低いアイデアなどについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
また、その事業を新規で創っていくのか既にある事業を展開していくのかによって違いますが、どの程度の事業規模にしていくのかを同時に決めていく必要があります。
なぜなら、事業規模によって必要な人員の数や準備する資金の金額も全て変わってくるからです。
ここで考えてほしいのは事業規模の大きい小さいを、どのような定義にするのかと共に、どの項目を最優先に事業展開するかということです。
具体的には、次に挙げるようなことを参考にしてみてください。
- 売 上
- 利 益
- 資本金
- 商品数
- 社員数
- 顧客数
- 株式上場 or 非上場
ただし注意してほしいのは、その決めた項目を最優先にすることにより、その事業が社会に対してプラスの価値を提供し続けられるのかどうかという点です。
そうでなければ、それは実業(事業)ではなく虚業になっていってしまい、長く続くことはないからです。
3-2.ビジネスプランを作成する
事業内容や規模が決まったら事業を行うための具体的な計画を立てる必要があります。いわゆる、ビジネスプランです。
このビジネスプラン次第によって、その事業の成否が決まる分岐点と言っても過言ではありません。なぜなら、そのビジネスプランの内容次第によって次に挙げることに影響があるからです。
- 資金調達
- 優秀な人材の確保
- ビジネス開始後の不測の事態への対応策
そのビジネスプランに魅力(実現性や収益性の高さ)があると判断されなければ、事業の開始は勿論できません。もし、出来たとしても、周りの協力が得られにくいという状況になります。
事業規模によっても違うでしょうが仮に1人で事業を行うにしても、ビジネスプランを作成した方が良いと思います。
なぜなら、その事業の内容を客観的(第三者的な視点)に分析することによって、ビジネスプラン自体の精度が上がり、そのビジネスの成功の確率が高まるからです。
勿論、事業の成功を約束された完璧なビジネスプランというのはないと思います。ですが、実際に事業開始前に考えられることを考えに考え尽くしているのと、そうではないのとでは全くその後の展開が違ってきます。
また、ビジネスプランについては「ビジネスプランの基本形と成功するための6つのポイント」でビジネスプランの基本的な書き方から成功するビジネスプランを書くポイントについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
3-3.資金を準備する
事業は、資金がないと始まりません。
既存の事業の拡大や新規事業を行うのにも、資金を準備しなければなりません。実業家として、この資金の準備が適切かつ十分にできるかどうかが力量を試されているといっても過言ではありません。
事業規模にもよりますが、自己資金無いだけで事業展開をし続けられるというのは、少ないケースです。
ほとんどの場合においては、その事業のステージ毎によって資金が必要とされるケースが多くあります。ですから、資金調達力が実業家になる人には必要なのです。
また、資金調達については「8つの資金調達先と資金調達を成功させるための必読記事」で資金調達先の情報や資金調達を成功させるための具体的な方法について、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
3-4.事業を開始する
事業開始の準備が整えば、事業を開始していきます。
実際に事業を開始していけば分かりますが、当初予定通りに事業が進んでいくということは稀です。むしろ、当初の予定通りにいかないことの方が多いと考えておいた方が良いと思います。
なぜなら、事業というのは不確定要素が多く常に世の中は動いているからです。そういう状況の中で如何に適切に状況を把握し、適切な手を打ちながら、事業を軌道に乗せていくことが実業家としての力量が試されるということになります。
4.実業家の名言
多くの実業家がいる中で、私が個人的に「これぞ実業家!」と思える3人の名言を紹介していきたいと思います。
この3人は、理想の実業家であり規模は違えども本質的に目指すべき実業家像だと思います。
4-1.渋沢栄一
渋沢栄一とは、日本資本主義の父といわれる人物です。
サッポロビール、王子製紙、日本郵船など数多くの企業設立に携わり、その数500以上の産業興すとともに、77歳からは社会福祉、国際親善、教育、労使関係など、600以上の社会事業に奉仕した人物です。
渋沢 栄一(しぶさわ えいいち、天保11年2月13日(1840年3月16日) – 昭和6年(1931年)11月11日)は、江戸時代末期(幕末)から大正初期にかけての日本の武士(幕臣)、官僚、実業家。
第一国立銀行や東京証券取引所などといった多種多様な企業の設立・経営に関わり、日本資本主義の父といわれる。理化学研究所の創設者でもある。
Wikipediaより
そんな渋沢栄一の名言を一部紹介していきたいと思います。
- 目的には、理想が伴わねばならない。その理想を実現するのが、人の務めである。
- 富貴に驕ってはならない。貧賤を憂えてはならない。ただ知識を磨き、徳を高めて、真の幸福を求めようとすること。
4-2.岩崎弥太郎
岩崎弥太郎とは、日本の幕末で有名な坂本龍馬と同じ土佐藩出身であり、三菱財閥を創業した人物です。
岩崎 弥太郎[1](いわさき やたろう、天保5年12月11日(1835年1月9日) – 明治18年(1885年)2月7日)は、日本の実業家。三菱財閥の創業者で初代総帥。明治の動乱期に政商として巨利を得た最も有名な人物である。Wikipediaより
そんな岩崎弥太郎の名言を一部紹介していきたいと思います。
- およそ事業をするには、まず人に与えることが必要である。それは、必ず大きな利益をもたらすからである。
- 無駄をなくすということは、口に出して言うのは簡単でも、実行するのは難しい。
これは昔も今も、人々のひとしく悩みとするところである。余分な人員を整理し、無駄な費用を省き、精魂を尽くして本社の基礎を固め、相手に負けないだけの体制を築いてこそ、はじめてこちらの勝利が期待できる。
4-3.本多静六
本多静六とは、林学博士という肩書きを持ちながらも独自の蓄財法と投資方法で巨額の財産を築いた経験があると共に晩年には、「子孫の為に美田は買わず」と決意しそのほとんどを学校、教育、公益関係の諸財団にほぼ全ての財産を寄付したことでも有名な人物です。
本多 静六(ほんだ せいろく、慶応2年7月2日(1866年8月11日) – 昭和27(1952年)1月29日)は、日本の林学博士、造園家。日本の「公園の父」といわれる。
Wikipediaより
そんな本多静六の名言を一部紹介していきたいと思います。
- 世の中には濡れ手で粟を掴むような旨いことが、そうザラにあるわけのものではない。手っ取り早く成功せんとする人は、手っとり早く失敗する人である。秦の成功には速成もなければ、裏道もない。あせらず怠らず、長い道を辛抱強く進んでいくよりほかはない。
- 人生即努力、努力即幸福、これが私の体験社会学の最終結論である。
また、名言については「経営者名言:現役起業家が心の支えにしている31の名言」で厳選した名言を紹介すると共に私独自の見解を交えながら詳しく説明しているので、是非お読み頂きたいと思います。
5.まとめ
実業家と言っても、様々な業種やレベルがあります。
どんな業種やレベルであろうが実業家になっていくには、自分自身がどんな実業家になりたいのかを決めることが最も重要だと思います。
最初は、私利私欲で実業家になろうと思うことは決して悪いことではありませんが、私利私欲が行き過ぎて反社会になってしまっては実業家ではなく、虚業家となってしまいます。
決して、虚業家になるのではなく実業家として事業を行っていってほしいと思います。
これから実業家になろうと考えている人、もしくは、既に実業家として活躍している人においても是非ここに書いている内容を参考に実業としての道を歩んでいってほしいと思います。