
あなたは週末起業について以下のことで悩んでいないでしょうか?
- 週末起業とは、どういうものかを知りたい
- 週末起業のネタやアイデアを見つけたい
- 週末起業の具体的な始め方を知りたい
- 週末起業が会社にばれないようにするには
- 週末起業の成功と失敗について知りたい
私は、23歳で起業し、一時は、年商3億円以上になり上場を目指す規模までいきました。
しかしながら、10年後に倒産を経験。
それから、約2年間、上場会社2社の社長室(東証一部:年商5,000億円超など)でビジネスキャリアを積みました。
そして、再度起業し3年で年商1億円を突破、営業利益と役員報酬の合計が1億円を超すと共に5年以上黒字経営を実現しています。
さて、会社の給与が上がらない中、少しでも収入を上げて安定させたいという考えの人。もしくは、いきなり独立起業するのではなく、まずは週末だけ起業してみてその後に軌道に乗ったら独立起業したいと考えている人もいるかと思います。
いずれにしても、週末起業をする前に必要なのは、確かな知識と準備です。
ここでは、週末起業の基本的なことから週末起業を開始するまでのステップなどについて記載しましたので是非続きを読んでみて下さい。
きっと、この本文を読み終えるころには、週末起業をするには、どのようにしていけば良いのかについて分かると思います。少なくとも、週末起業についての理解が深まるのは間違いありません。
目次
1.週末起業とは、どういうものなのか
そもそも週末起業とは、どういうものかというと、次のようなものです。
現在働ている会社を辞めることなく、週末を中心に(もしくは、平日の退社後含め)自分の事業を行うことです。
もともとは、会社が休日の週末(土日祝日)のみに自分の事業を行っていることにより週末起業と呼ばれるようになりました。ただ、週末のみならず平日の夜なども自分の事業を行っている人も含めて週末起業と呼ぶことがあります。
基本的、通常の起業することと変わりありませんが、時間的な制約(土日祝日のみ)がある点が大きな違いだと思います。
週末起業に興味があるもしくは、実際に週末起業をやっている人の背景には、次に挙げるようなものがあると思います。
- 現在の会社の給料が上がらない
- 趣味や特技を活かした仕事をしたい(やりがい)
- いきなり独立起業するのではなく、まずは週末起業でやる
基本的には、現状の収入にプラスして収入を上げたい、収入源を増やしたいというのがあると思います。
1-1.週末起業と副業の違い
副業というのは、本業以外の仕事全般を指しています。
ですから、本業以外での平日の夜や週末のアルバイト(週末バイト)、そして週末起業も広い定義で言うと副業に該当します。ただし、週末バイトと週末起業では、大きく違う点があります。
具体的には、次に挙げるような項目で違いがあります。
- 雇用面
- 報酬面
- 収入の税法計上
週末バイト:雇われの身である
週末起業 :自分自身が事業主である(雇われの身ではない)
週末バイト:時給もしくは日当
週末起業 :時給や日当の保証はなく成果ベースでの報酬
週末バイト:給与所得
週末起業 :事業所得(売上-経費)
後ほどの、週末起業の税法計上については「6.週末起業と税金」で詳しく紹介していきます。
1-2.週末起業のメリットとデメリット
見方によっては、何事にもメリットもデメリットがあります。
週末起業にも同様に、メリットばかりというわけではないと思います。自分自身に照らし合わせてメリットとデメリットを冷静に分析してみてほしいと思います。
週末起業のメリットですが次に挙げるようなものが考えられます。
- 本業以外に収入を得られるチャンスがある
- 本業とは違いう、やりがいある仕事ができる
- 週末起業の事業が軌道に乗れば、独立起業のチャンスがある
- 自分で事業を0(ゼロ)から行うことによる成長のチャンスがある
収入とやりがい、そして事業を行うことによるビジネス能力のアップが見込めるということだと思います。
- 休む時間や自由な時間、家族との時間がなくなる
- 無理なスケジュールにより健康を害することがある
- 本業に支障をきたすことがある
とにかく時間がタイトになることで、疲労や健康を害することにより本業にも支障をきたし、正に本末転倒になってしまうことだと思います。
1-3.週末起業は儲かるのか
週末起業に興味がある人は、当然ながら儲けよう(収入を上げよう)と考えていると思います。
ただ、全員が全員、週末起業をしたからといって儲かることはないと思います。全く同じ事業をやったとしても全く同じ結果になることはないからです。
なぜなら、仮にAさんとあなたが全く同じ事業をやったとしても同じ結果にはならないのは容易に分かることだと思います。
- Aさん×IT関係のビジネス =週末起業して成功(月:100万円利益)
- あなた×IT関係のビジネス =週末起業して成功(月:100万円利益?)
私が思うに事業というのは、次の式で事業の成否が決まるからだと思います。
誰がやるのか × 何をやるのか × どのようにやるのか × いつやるのか =事業の成否
事業というのは、必ずしもプラスになるとは限らず、むしろ事業が上手くいかずにマイナスになってしまう人の方が多いのが現実です。
少々厳しい言い方かもしれませんが、儲かるか儲からないかではなく、如何にして儲けようと考えて実行していくことができるかどうか儲かるかどうかが決まるということです。
ですから、安易に 週末起業=儲かる ということは考えるべきではないと思います。
1-4.週末起業のリスク
週末起業には通常の起業とは違うリスクがあります。
それは、会社員(本業)の場合は、多くの会社の就業規則で副業禁止としているということです。
つまり、週末起業をすること自体が会社の就業規則違反となり、それによって会社員(本業)としての地位が危うくなるということです(給料が下がる、降格、解雇の可能性あり)。
そもそも就業規則というのは、就業時間内において定められているその会社独自の会社内での規定(ルール)です。ですから、就業時間外であれば適用外というのが法律的に見ても正しい解釈だと思います。
ただし、実際のところは、就業時間内及び時間外でも就業規則が適用されているというのは暗黙の了解としてあると思います。
もし、会社に許可なく週末起業しているということがバレた場合には、週末起業をやっている本人がその会社において不利な立場になることが考えられます。
それが週末起業をする上での最大のリスクだと思います。
この辺りについては、「サラリーマンをしながら起業する人に必要な4つの知識~2.サラリーマン起業が会社にばれる理由~」で詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2.週末起業を開始する7つのステップ
週末起業するにあたり、具体的に何から始めていけば良いのか分からないという人もいると思います。
週末だけとはいえ、会社員(本業)をしながらの起業ですから時間的な制約も出てきますので、できるだけ効率良く準備していきたいところです。
ここでは、週末起業を開始するための7つのステップについて紹介していきたいと思います。
2-1.会社の就業規則を確認する
会社の就業規則を確認するのが最も大事な点です。
なぜなら、多くの会社では就業規則において、副業を禁止していることが多いからです。
先程の「1-4.週末起業リスク」のところでもありましたが、会社員が就業規則に違反するということは、会社に対しての裏切り行為と言えますので、その際にはその就業規則に則り罰則を受けることになると思います(給料が下がる、降格、解雇の可能性あり)。
ですから、就業規則を確認するということは、最も大事な点になります。
この就業規則を確認の上、その会社が副業を全面的に禁止しているのかもしくは、会社の許可があれば副業は可能なのかどうかによって、対応方法が違ってきます。
その辺りについては、「サラリーマンをしながら起業する人に必要な4つの知識~1.サラリーマン起業がする際の注意点~」で詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2-2.心構えを変える
週末だけ起業するとはいえ、本質的に起業するのと変わりはありません。
そのことを心の底から理解できて、行動できるかどうかが問題だと思います。
基本的に会社員と起業する人(起業家)というのは、考え方や立場を含め対局にいる存在だからです。
最も分かりやすい点が報酬の面になると思います。
- 会社員⇒報酬はもらえる
- 起業家⇒報酬は自分で稼ぐ(自分で稼がなければもらえない)
全ては自分の力次第であり自分の責任になるということです。
また、起業家については「全ての起業家に伝える!起業家のあるべき姿と起業家精神」にて、起業家のあり方や起業家精神そして成功している起業家の特徴などについて詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2-3.目標を決める
何のために週末起業をするのか、ということです。
何らかの目的があって週末起業をするのだと思いますが、明確に収入の面とやりがいの面の2種類から目標を決めることをおススメします。なぜなら、収入とやりがいのバランスが事業継続するかどうかの大きなポイントだからです。
収入があっても、やりがいがない逆にやりがいがあっても収入はない状況では、長続きしないことになりますので。
2-4.ネタを見つけてアイデアを決める
週末起業するには当然ながら、ネタやアイデアがなければなりません。
週末起業することを決めてから、ネタやアイデアを考える人もいれば、既にネタやアイデアがあるので週末起業するという人もいると思います。
週末起業のネタやアイデアが見つからないから、週末起業ができないということだけは絶対に避けたいと思いますし、本気で考えればネタやアイデアが見つからないということは、まずないということだけは間違いありません。
週末起業のネタ、アイデアの見つけ方については、次の「3.週末起業のネタ、アイデアの見つけ方」にて詳しく紹介していきたいと思います。
2-5.ビジネスプランを作成する
週末起業のアイデアが決まったら、次にやるべきはビジネスプランの作成です。
ビジネスプランは、ビジネスを進めていく上での設計図でもあると同時にビジネスプランを作成することにより客観的な視点(第三者的な視点)で見ることにより、ビジネス開始前に弱点や問題点を発見するのにも役立ちます。
ですから、このビジネスプランの精度次第によって、ビジネスが成功するかどうかが決まると言っても過言ではありませんので手を抜くことなく、しっかりと作成すべきだと思います。
また、このビジネスプランの中には事業が上手く軌道に乗らなかった場合の”撤退ライン”を同時に決めておくべきだと思います。
特に事業経験がない人や経験不足な人は、この”撤退ライン”を決めずに、事業を開始し、明らかに事業失敗の状況にも関わらず撤退せずに突き進んでしまう人がいます。
そうなると、取り返しのつかないような状況になってしますので、注意が必要です。
週末起業の場合の”撤退ライン”については、次に挙げるような状況になったら撤退するのが良いと思います。
- 当初計画の売上予測数値が50%未満が6ヶ月連続になったら
- 準備した資金が0円になったら(追加の資金調達などしない)
なぜなら、この状態では既に事業として失敗している状態だと言えるからです。
また、ビジネスプランについては「ビジネスプランの基本形と成功するための6つのポイント」でビジネスプランの基本的な書き方から成功するビジネスプランを書くポイントについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2-6.必要な資金を準備する
どんな事業の内容や規模にもよりますが、多かれ少なかれ資金は必要であり、資金が全くなくてもできる事業というのはないと思います。
週末起業の場合、本業(会社員)での収入からコツコツと週末起業用に貯金していくのが最も現実的だと思います。いわゆる自己資金ですが、自己資金を満足に準備出来ないのであれば、週末起業をすべきではないとさえ思います。
なぜなら、事業というのは簡単に言うと、お金を増やしていくことそのものであり、その最初の資金を準備できないということは、その時点で週末起業がうまくいかない可能性が極めて高いことを示しているからです。
また、生活資金と週末起業の資金を明確に分けて管理すべきだと思います。そうでなければ、週末起業の事業が軌道に乗らなかった場合に生活資金にまで手を出すと、週末起業の失敗が自身の生活まで影響してしまうからです。
あくまでも、生活資金と週末起業の資金は別管理として、仮に週末起業が失敗したとしても本業(会社員)含め生活には影響が及ばないような体制にしていくのが良いと思います。
また今後、週末起業を経て本格的に独立起業したいと考えている人が資金調達について詳しく知りたいと考えている人は、「起業資金を6,000万円以上調達した経験者が語ること」で起業資金の調達先の情報や資金調達を成功させるための具体的な方法について、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2-7.開業届を出す
実は、週末起業を開始する際に、税務署に開業届を必ず出さなければならないというわけではありません。正確に言うと、開業届を出すか出さない、どちらかを選択することが可能ということです。
開業届を出すにしても、出さないにしてもこれについては、税金との兼ね合いもありますので後ほど「6.週末起業と税金」の部分で詳しく紹介していきたいと思います。
3.週末起業のネタ、アイデアの見つけ方
週末起業をしたいと考えていても、ネタやアイデアが見つからずに困っている人もいると思います。
多くの場合、ネタやアイデアを考えてはいるのでしょうが、難しく考えすぎだと思います。週末起業のネタやアイデアを考える上でまず考えてほしいのは、ネタやアイデアを見つけることは難しくないということです。
ここでは、具体的にネタやアイデアの見つけ方から週末起業に適していると思われる業種についても紹介していきたいと思います。
3-1.既存のビジネスを工夫する
既存のビジネス、つまり既に今世の中にあるビジネスを工夫するということです。これが最も手っ取り早く考えられるものです。
週末起業のネタやアイデアが見つからない人は、今世の中にないような画期的なものばかりを探してはいないでしょうか。
ですが、そんな画期的なネタやアイデアばかりを考える必要はありませんので、今世の中にあるビジネスに注目してみてください。
その中で興味があるビジネスを分析してみて、次に挙げるような視点で見てみてください。
- 価格の面
- 何か足りない点
- 不満に感じる点
- 改善した方が良い点
どんなに優れた商品やサービスでも、100%全員が満足しているモノはありません。
ですから、その満足していない点を工夫や改善することにより新しい事業が成立ちます。例えば、カフェや居酒屋、ラーメン、マッサージ、スポーツジムなどあらゆるジャンルにおいても同じ業種でもやり方(価格、サービスやメニューなど)が全く違います。
3-2.あなた自身の中から見つける
週末起業をする人には、自分自身の特技を活かした、やりがいを感じられることをしたいという人も多くいると思います。
そういう面では、あなた自身が心から週末起業の事業としてやっていきたいと思えることが良いと思います。
次に挙げるような視点で考えてみてください。
- あなたが好きなこと
- あなたが得意なこと
- あなたがこれまで経験してきたこと
ただし、起業のネタやアイデアを見つける段階ですから、現実的に事業として成立するかどうかということについてはあえて無視して考えてみてください。
制限なく、上記の3つの視点において起業のネタやアイデアを洗い出してみてください。
あなた自身がこれまで気づいていないだけで、好きなこと、得意なこと、経験してきたことが他の人にとっては価値があることがあるかもしれません。
また、起業アイデアについては「起業アイデアが見つかる!6つの必読記事」でアイデアの発見法やリスクが低いアイデアなどについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
4.週末起業で考えられる業種
週末起業で考えらえる業種について紹介していきたいと思います。
週末起業の場合、基本的には週末のみ(平日の夜も)ですから、時間的な制約が大きいと思います。
ですから、比較的短時間でも事業として成り立つものもしくは、仕組みを構築すれば時間的な制約を受けないという視点で考えると、週末起業として全ての業種ができるというわけではないと思います。
4-1.週末起業におススメの業種とおススメしない業種
週末起業におススメの業種は、次に挙げるようなものです。
ポイントとしては、初期投資がほとんど必要ないもしくは、大きな初期投資(100万円単位)が掛からないのと時間的な制約を受けない(土、日祝祭日や平日の夜でも可能)ということです。
- コーチ、コンサルタント
- 行政書士、FP(ファイナンシャルプランナー)
- 保険代理店
- 飲食全般
- 自動販売機の運営
- ネット系サービス
- 賃貸不動産(※物件の金額と借入金の可能な金額と個人の資産状況による)
※基本的には、大きな初期投資が必要な業種は、週末起業には向いていないと思います。ただし、賃貸不動産に関しては、時間的な制約をほとんど受けないことから選択肢の一つとして考えられます。問題は、個人の考え方や資産状況をみて、リスクが低いと判断すればアリだと思います。
逆に、週末起業におススメしない業種は、次に挙げるようなものです。
- 大きな初期投資(100万円単位)が必要な業種
- 個人ではなく、法人を相手にするような業種全般
- 本業(会社員)と同じ、もしくは本業に関連するような業種
大きな初期投資が必要というのは、それだけでリスクが高いので、週末起業には不向きでありおススメしません。
また、個人ではなく法人を相手にすると、土、日祝祭日や平日の夜に対応ができませんので、それだけでリスクが高いので、週末起業には不向きでありおススメしません。
最後ですが、本業(会社員)と同じような業種の場合だと、完全に就業規則に反する場合があり、もし会社にバレタ場合には、本業(会社員)での身分が失いかねないからです(降給、降格、懲戒免職など)。
4-2.女性の週末起業におススメの業種
基本的に男性も女性にも大きな違いがないと思いますが、その他女性が週末起業としてやるならば次に挙げるような職種が良いと思います。
- 教室(習い事)系
- 女性向けの美容サービス
- 家事サービス代行
教室系や美容系のサービスにおいては、大掛かりな設備投資をするのではなく、自宅でサービス提供するとか、貸し会議室(時間限定でスペース貸し)などを利用するなどしてコストを抑えるのが良いと思います。
5.週末起業の成功する人と失敗する人の違い
週末起業でも通常の起業の場合でも、成功する人と失敗する人には共通して見られる違いがあります。
よく「成功する人と失敗する人の違いは、紙一重」だと言われることがありますが、それは全くのが間違いだと思います。
特に起業においては、成功する人と失敗する人は何もかも違いますし、偶然で成功も失敗もすることはなく、全ては必然に起こっていることであると認識すべきだと思います。
総じて言えることなのですが、週末起業が成功している人と失敗している人の違いというのは、全てにおいて実力の差があるということです。
その実力差がどういう点にあるのかについて、週末起業の成功する人と失敗する人の違いについて紹介していきたいと思います。
5-1.事業の知識や経験があるかないか
本業(会社員)の中である程度の知識や経験があるとは思いますが、それは組織内で通用する知識や経験であることが多いと思います。
多くの人の場合は、組織を離れて自らの知識や経験を実践的な場面で通用する知識も事業を立ち上げて軌道に乗せていった経験がほとんどないと思います。
ただ、成功していく人は、徹底的にビジネス関係の本を読んだりして学び、社内の新規事業に積極的に携わり事業を立ち上げていく経験を意図的にしようとしていったりしています。
事業の知識や経験について、具体的には次に挙げるようなことです。
- 事業全般の知識や事業運営経験
- 集客と販売の知識と実践的な経験
事業というのは早い話、集客をして販売するということであり、それが出来ている人が成功していて、出来ていない人が失敗しているということです。
5-2.準備がしっかりと出来ているかどうか
週末起業においても、事業を開始する上においての、知識、資金、計画が準備出来ているかどうかが重要です。
失敗している人は、まず間違いなく、知識、資金、計画の準備不足です。そもそも準備が不足しているかどうかを気づいていないことも多くあります。
具体的には、次に挙げるようなことです。
- 集客と販売の知識と実践的な経験
- 資金を十分に用意しているか(金額の目安として最低6ヶ月以上は売上が0円でも事業が継続できるか)
- ビジネスプラン(特に事業がうまくいかなかなった時の具体的な対処策を考え尽くしているか)
成功している人は、入念な準備を徹底的に行っているのは間違いありません。週末起業していく前に、どれほど真剣に準備に取り組めるかどうかが、その後の成否の分かれ目になっているということです。
5-3.気持ちの切り替えが出来ているかどうか
週末起業の場合、本業(会社員)という軸があり、副業という位置づけで週末起業をしていると思います。
ただ、それが「もし、週末起業が失敗しても本業(会社員)があるから・・・」という具合だと、気持ちの面でもどこか甘えになっていたり、油断になっている人は、まず間違いなく失敗します。
週末起業であろうが、事業として行っていく以上、貴重なお金も時間も費やすことになりますので中途半端な気持ちではお金も時間も無駄に失うだけです。
成功している人は、週末起業であろうが本業(会社員)以上に取り組む、むしろ本業(会社員)以上に真剣に週末起業を取り組んでいます。
6.週末起業から独立起業するタイミング
週末起業をしていこうと考えている人の中には、本業(会社員)を続けながら週末起業をしていくこと継続していくことを考えている人もいれば、週末起業が軌道に乗れば完全に独立起業をしようと考えている人もいると思います。
そういう人が、週末起業から独立起業へ移行する際のタイミングについて、どういう条件が適しているのかについて、次に挙げる2つの条件を紹介していきたいと思います。
- 週末起業での稼ぎが月100万円以上突破したら
- 週末起業の事業をさらに拡大する確かな見込みがある
この2つの条件というのは、単に独立起業するというのではなく、独立起業しても成功していけるであろうという条件です。
ですから、この条件を満たせば、リスクがかなり低い状態で独立起業へ移行していくことが可能だと思います。
また、単に独立起業することだけを優先するのであれば、週末起業の稼ぎが月100万円以上である必要はありません。
個々人の生活コストを考慮しつつ、やりがいを優先するのであれば、週末起業の稼ぎが月50万円以上でも可能ではあると思います。
6-1.週末起業での稼ぎが月100万円以上突破したら
一番分かりやすいのは、金額的な面です。
月100万円以上というのは、売上ではなく売上から経費などを差し引いた手残りの金額です。そこから自分の人件費を差し引いても十分に利益が残る金額です。
仮の数値にすると、次のような具合です。
・売上高:150万円
・経 費: 50万円
—————————————————–
・粗利益:100万円(売上高-経費)
・人件費: 50万円(自分の人件費)
—————————————————–
・利 益: 50万円(粗利-人件費)
このくらいの金額であれば、週末起業から独立起業へと移行しても良いと思います。
少しハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、正直このくらいの数値がないと、安定した収入がある本業(会社員)を辞めてまで独立起業するのは難しいと思います。
なぜなら、プレッシャーや不測の事態の際やリスクには耐えられないからです。
また、この数字を1~2ヶ月達成した状況ではなく最低6ヶ月以上はこのくらいの数字が安定的に推移している状況です。
6-2.週末起業の事業をさらに拡大する確かな見込みがある
週末起業の弱点は、時間的な面と資金調達の面で制約があることです。
本業(会社員)を辞めて独立起業すれば、その時間的な面と資金調達の面で制約がなくなります。それによって事業の拡大のスピードが見込めるという確信があるのであれば、独立起業しても良いと思います。
7.週末起業と税金(確定申告)
週末起業と税金(確定申告)において、事前に正しい知識を持っておかないと後々税金のトラブル(結果的に脱税)になってしまいかねないので、ここで紹介していきたいと思います。
週末起業を開始して行く際に、税務署に開業届を出すか出さないかまたは、週末起業から得る収入の金額によっても税金の取り扱いや確定申告が必要かどうか変わってきます。
確定申告が必要になる人というのは、次の条件に該当する人になります。
- 年間の給与収入が2,000万円を超える場合
- 1ヶ所から給与を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合
- 2ヶ所以上から給与を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入と給与所得及び退職所得以外の所得合計額が20万円を超える場合
注)給与所得の金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の場合は、申告の必要はありません。
所得税法第121条第1項を要約
7-1.開業届を出す場合
税務署に開業届を出すというのは、個人事業主として事業をしていくということを意味し税務署に「個人事業の開廃業届出書」という書類を出すことをいいます。
法人(株式会社など)を設立するのではなく、個人事業主として週末起業をしていく場合には、開業後1ヶ月以内に「個人事業の開廃業届出書」を税務署に出す必要があります。
詳しくは国税のHP
個人事業主として事業をしていくというのは、税務上「事業所得」という分類になります。
開業届を出して事業所得として申告する方が、事業に関係する際に要したお金を経費として税務署から認められる可能性が高いです(少なくとも、開業届を税務署に出さない場合に比べて※ただし、これは税務署の判断によります)。
ただし、黒字でも赤字の場合でも毎年事業所得として、どれだけの収入があったのかどうかを税務署に申告(確定申告)する必要があり手間がかかります。
また、「事業所得」の場合、損益通算が認められているというのが最大のメリットです。
週末起業の場合で言うと、損益通算(他の所得金額から収支が赤字の金額を差し引かれ、その金額に対して税金が掛かる)というのは、本業(会社員)の給与所得から週末起業の赤字金額が差し引かれ、その金額に対して税金が掛かるというものです。
ただし、週末起業の場合は、このことを認められない場合があります(税務署の判断による)。
事業所得
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。(国税庁)
7-2.開業届を出さない場合
税務署に開業届を出さない場合というのは、税務上「雑所得」という分類になります。
雑所得の場合、年間の所得が20万円(収入-経費)を超えると税務署に申告(確定申告)する必要がありますが、年間の所得が20万円(収入-経費)以下なら納税義務もなく税務署に申告(確定申告)する必要がありません。
雑所得
所得税における課税所得の区分の一つであって、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得をいう(国税庁)
7-3.開業届を出す、出さないどっちが良いのか
週末起業を開始するにあたり、開業届を出した方が良いのか、それとも出さない方が良いのか迷う人もいると思いますが、結論としては、どっちでも大差はないということです。
なぜなら、いずれにしても個人の所得税という枠の中で課税されるということには変わりがないからです。
よく開業届を出して事業所得として申告する方が、開業届を出さない雑所得として申告する場合に比べて様々な経費が認められやすく、手残りが多くなるという説もありますが必ずしもそうではありません。
週末起業の場合においては、あくまでも本業(会社員)があり、税務署によっては、週末起業する人が開業届を出して事業所得として申告することを認めていない(開業届の不受理)こともあるからです。
その背景にあるのは、仮に週末起業の収支が赤字の場合、本業(会社員)の給与所得から差し引き(損益通算)されて税を申告されると、本来徴収できる税金の金額が減ってしまうからだと思います。
事業所得か雑所得かを迷うのには、大差はありませんが、本格的に法人化していくのであれば、また話は変わります。売上や利益の規模によっては、法人化した方が良い場合があるからです。
その辺りについては、こちらの「起業するには最低限必要な7つのステップと必読記事~3-2.起業するなら個人事業と法人のどちらが良いのか~」で詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
8.まとめ
本業(会社員)がありながら、週末起業するというのは時間的、体力的、資金的な面で色々と制約がありますので大変だと思います。
しかしながら、本業(会社員)がない状態での完全に独立した起業の方がもっと大変です。それに比べれば、本業(会社員)からの安定した収入がある状態で週末起業するのは、ある意味楽なのかもしれません。
ただ今後は、本業(会社員)からの収入も安定が約束されているわけではないと思いますので、週末起業の方が本業(会社員)の収入よりもより多くより安定していくことを目指していくのが良いと思います。
週末起業をしていく人は、是非ここに書いてある通りの方法を参考に実践していってほしいと思います。