
いきなりですが、あなたは、学生起業すべきかどうかについて、以下のようなことで悩んでいないでしょうか?
- 学生起業に興味あるけど、どうすればできるのか
- 学生起業して成功するのか、失敗した際のリスクはあるのか
- 「学生の今こそ起業のチャンスがある」という話しも聞くけど・・・
さて、私は、学生起業の経験はありませんが、私は、23歳で起業し、一時は、年商3億円以上になり上場を目指す規模までいきました。
しかしながら、10年後に倒産を経験。
それから、約2年間、上場会社2社の社長室(東証一部:年商5,000億円超など)で
ビジネスキャリアを積みました。
そして、再度起業し3年で年商1億円を突破、営業利益と役員報酬の合計が1億円を超すと共に5年以上黒字経営を実現しています。
ちなみに、私の大学4年間の過ごし方は、起業するための準備期間でした。
そもそも、私が大学生であった15年くらい前には、「学生起業」という言葉自体が、世の中には広まっていませんでしたし私自身も聞いたことはありませんでした。
しかしながら、昨今は「学生起業」という言葉が誰もが知るようになり嘘か本当かは分かりませんが、学生起業がブームとさえ言われるようになっています。
その影響もあってか、学生起業に興味がある学生も増えているそうなので、学生起業のメリットデメリットなど含め紹介していきたいと思います。
きっと、この本文を読み終えるころにはあなたが学生起業するべきかどうかが分かることになるでしょう。
少なくとも、学生起業に対しての理解が深まることは間違いありません。
目次
1.学生起業について私が思うこと
基本的に私は、学生起業に対して賛成でも反対でもありませんが、学生が起業するということに関しては違和感を覚えます。
ですので、学生起業について考えている人に対して、私が思うことを率直に述べていきたいと思います。
1-1.なぜ、学生なのに起業する必要があるのか
まず最初に思うことは、なぜ、学生なのに起業する必要があるのか?ということです。
そもそも学生の仕事は、学業であって、起業することではないです。
何か大きな勘違いをしていないでしょうか・・・。
1-1-1.大学4年間は想像以上に貴重な時間
私自身、今振り返っても本当に大学時代の4年間というのはとても貴重な時間でした。
この4年間の過ごし方によって、大きく人生は左右すると言っても過言ではないほどに、貴重な時間です。
人によって4年間の過ごし方は違うでしょうが、将来のことや人生観や価値観などを形成することに費やすべきだと思います。
そのことを今一度、考えてみるべきです。
ちなみに、私は大学の4年間のほぼ全てを起業の準備に費やしてきましたが、簡単に言うと、以下に挙げるようなことです。
~大学1~2年生~
- 本を読みまくる(大学4年間で少なくとも500冊以上)
- 社長に会いに行く(ほとんど手当たり次第にTELしてAPOとり面談)
~大学3年生~
- 法人営業を経験
知り合いの社長からの紹介により当時のセゾングループの人材派遣会社にて、面接や外回りの営業を中心に活動。
ちなみに、就職活動は一切やっていません。
~大学4年生~
- 出版社で営業所長を経験
全国に400名以上いる規模の出版社にて12ヶ月連続トップ10、最高順位3位の実績を残し年収:1,500万円以上を稼ぎました。
1-1-2.学生起業支援などの世間のブームに踊らされていないか
「今、学生起業がアツイ! 学生こそ起業すべき!」と世間のいい加減なブームというか、ごくごく一部のメディアや学生起業支援サービスなどに踊らされていなか?
良くも悪くも、価値観が固まっていないために、そういうようなメディアや周りの影響を大いに受けてしまい「カッコイイ」と思ってしまいます。
ですが、そういうブーム的なものではなく、自分自身の価値観と照らし合わせてみて冷静に考えてみるべきです。
また、特に注意が必要なのは学生起業ブームを、必要以上に後押しするサービス提供している会社や関係者です。
ごくごくわずかな成功事例(ほとんどあり得ない)を基に学生に対して、学生起業することを推進するのはそういう学生起業支援サービスや関係者に利益があるからです。
本当に学生であるあなた自身のことを第一に考えてはいないということを理解すべきです。
1-1-3.就活に有利になるからとかのセコイ考えではないのか
このような考えの人もいないだろうか?
もし、学生起業することが就活に有利になるのならば、全員やっているだろうし仮に有利になったとしても問題は、学生起業の中身だと思います。
どこまで真剣に起業に対して取り組み、どんな困難があってどのように乗り越え、成果を上げたなど。
その中身が評価に値するモノでなく中途半端な取り組みであれば、就活に有利どころか、逆に不利にはたらくことになると思います。
1-1-4.起業レベルではなく、ネットビジネスなどで小銭を稼ぐ程度ではないのか
学生起業と言っても、ネットビジネス(アフィリエイト)などで、チャリンチャリンレベルの金額を稼ぐことを、起業と称する人もいるようですがそんな程度では、少なくとも起業とは言えません。
起業というのは、もっとスケールが大きく、世の中に大きなプラスの価値を提供し大きな報酬を得るようなことです。
ですから、どうせ若くして学生起業を考えているのであれば、「稼いだ、儲かる!」という低俗な部類のお小遣い稼ぎをやるのではなくスケールが大きいことをやってほしいと思います。
1-2.こういう状況なら学生でも起業すべき
前節では、学生起業に対して否定的な意見を述べました。
ですが、こういう状況なら、むしろ学生でも起業すべきだと思います。
1-2-1.人生を変えるきっかけがあった
人によっては、人生を大きく変える何らかのきっかけが突然、訪れることがあります。
今までの自分自身の価値観や常識を大きく変わる出来事があった、人との出会いや1冊の本、テクノロジーの可能性を感じたなど。
1-2-2.学生を辞めてまで今すぐに成し遂げたい事がある
具体的に、何か成し遂げたいことが見つかっている状態です。
学生を辞めてまで、その何かを成し遂げることに意義を見出せるのであれば、それは、即大学を辞めて
起業すべきです。
1-3.学生起業するのと就職後に起業するなら、どっちが良いのか
結論から言えば、人によって違うとしか言いようがないと思います。
学生であろうがなんであろうが、本気で起業したい起業して成功する力や準備が整っているのであれば、起業すれば良いと思います。
恐らく、学生起業して成功体験がある人に相談すれば、学生起業が良いと言うだろうし、就職後に起業して成功体験がある人に相談すれば、就職後が良いだろうと言うと思います。
ただ私の場合は、就職せずに起業した経験もあれば、その後に就職してから、起業した経験もあるので、その辺りついては、より詳しく話せるかと思います。
1-3-1.就職せずに学生起業する場合
学生起業するならば、失敗を恐れずに大胆に行動できる点があると思います。
ビジネス経験がないことにより、大胆な発想や行動が出来る点がプラスに働くことが期待できます。
ただ、単に勇気がある若いだけの勢いだけで、無謀に挑戦する学生が起業するのと冷静かつ用意周到に勝算がある学生が起業するのとでは全く意味も結果も違うと思います。
当然ながら、用意周到かつ勝算がなければ、中途半端な学生が起業したというだけで何ともカッコ悪い起業ごっこになるのでその点は、注意した方が良いと思います。
まぁ、それを含めて良い経験になると割り切れるのであれば、就職せずに学生が起業しても良いかもしれませんが。
1-3-2.就職後に起業する場合
学生時代に起業するに比べて、ある程度の社会経験やビジネスキャリアがあるのがメリットかと思います。
問題は、どのタイミングで起業するかということです。
就職後といっても、数年もしくは10年後にするのかということです。
人間というのは、習慣の動物と言われるように、最初は、起業しようと思っていても、サラリーマン生活に慣れてくると、そこから抜け出し起業することが段々と難しくなってきます。
実は、それが最大の問題というか起業へのハードルだったりします。
余程、起業するということを本気で考えて計画的に行動していかないと、いつしか起業熱も冷めてしまうと思います。
将来的に起業をしていくことを本気で考えているのであれば、就職後に就く職場でしっかりとビジネスの能力を磨きビジネスの仕組みや人脈、起業資金などを準備していく必要があると思います。
その上で、起業するのであれば、一般的に考えても学生時代に起業するよりも遥かに起業して成功する
確率は高いと思います。
実際に私自身も、1回目の起業の際と比べて、色々とビジネス経験を積んだうえでの2回目の起業の方が同じような年商や年収だとしても、明らかに質や継続性において違ったりしますから。
まぁ、それは良い意味で年齢を重ねビジネス経験を多く積んできたからだと思いますが。
いずれにしても、起業する力がない段階では、起業するために徹底した準備をすべきであり起業する力もあり本気で起業したいと思うのであれば、起業すべきだと思います。
2.学生起業のメリットとデメリット
何事にもメリットとデメリットがあるように、学生起業をする上においても、デメリットばかりではなく、大きなメリットもあると思います。
2-1.学生起業のメリット
学生が起業することにおいて、学生ならではの考えられるメリットを紹介していきます。
2-1-1.時間がある
何と言っても、時間があることが大きいと思います。
大学1~2年生の間は、3年4年生に比べると、授業が多くあると思いますが、それでも自由な時間は多くあります。
その自由な時間により、起業の準備や起業することが可能であり、この時間を効率良く使うことにより学生ならではの起業が出来るチャンスがあると思います。
2-1-2.気力、体力がある
少々の徹夜や無理がきく体力があります。
少なくとも、30代や40代以上の人に比べて、ハードなスケジュールでも体調不良にならずに済むというのは、若さゆえの特権だと思います。
2-1-3.ビジネスの経験が積める
学生の内からビジネスの経験が積めるというのは、大きなメリットです。
単純に、早ければ早いほど良いというわけではありません。
しかしながら、実社会から比べると、リアル感がない大学の授業からするとリアルのビジネスの経験が積める機会があるというのはとても貴重な経験だと思います。
また、完成が多感な時だからこそ吸収し成長するスピードが速いというのも考えられると思います。
2-1-4.生活コストがほとんど掛からない
実家からの通い、仕送りもしくはバイトで生活費を捻出している人もいるでしょうが、生活コストが
社会人に比べ、生活コストはほとんどかかりません。
生活コスト以外は、全て起業に関するお金に利用可能です。
2-1-5.画期的なビジネスを生み出す可能性がある
学生ならではの視点により、常識に縛られない画期的なビジネスを生み出す可能性があります。
どうしても、30代、40代以上の人たちからすると、ビジネス経験などがあったり、失敗が許されない
環境だとなおさら、起業アイデアというのは現実的なものを考える傾向があると思います。
それは当然と言えば当然なのですが。
しかしながら、学生の場合には30代、40代と比べるとそういう思考の制約のようなものがなく大胆かつ自由自在に起業アイデアを考えられる状況です。
2-2.学生起業のデメリット
これは、どんな事業をやるのかターゲットになる顧客層にもよりますが、ごく一般的に考えられるデメリットについて紹介していきます。
2-2-1.学業が疎かになる
時間に限りはありますので、ある程度は仕方ありませんが、単位を落とすリスクもあります。
起業の準備や内容状況にもよるでしょうが、時間というのは24時間と限りがあるわけですからこれは、どうしても起こり得ることだと思います。
起業に対して、サークルや同好会レベルの取り組みであれば起こりえないとは思いますが。
起業に対して真剣に取り組むのであれば、学業が疎かになるのは、当然だと思います。
2-2-2.起業資金がない
起業の規模や金額にもよるでしょうが、基本、学生ですから起業資金はないと思います。
また、起業資金を調達するにも現実的に考えても、外部からの資金調達というのはかなりハードルが高く、できたとしても、親や知人などの限られた人たちからしかできないと思います。
お遊びやお小遣いを稼ぐ程度のレベルであれば資金を準備したり、自分以外の人たちから資金調達する必要はないでしょうけども。
起業するにあたり、事業と呼べるレベルなのであれば資金調達は避けて通れないと思います。
2-2-3.社会的信用がない
どんな事業内容にもよるでしょうが社会からすると、“学生”としか見ないわけです。
つまり、何かトラブルなどがあった際に責任が取れる身分ではないというのが実態です。
起業していくということは、より社会と密接な関係を作っていくという事とも言いかえられます。
それには、信用が無くては相手にされないのです。
少なくとも、学生は社会人に比べても子供扱いされています。
20歳以上だとしても、学生の場合であれば、他の20歳以上の社会人と比べても、扱いは同じではないですから。
2-2-4.ビジネス全般の知識や経験がない
当然ながら、ビジネス全般の知識や経験がないのは、多くの場合、プラスにはたらきません。
学生ですから、ビジネスの知識や経験がないのは仕方がないのですが。
しかしながら、起業するということは社会を相手にしていかなければならないということです。
最低限のビジネスの知識もなければそれこそ、相手にされず話にならない状況になると思います。
2-2-5.できるビジネスが限られ成功の可能性が低い
資金も信用もビジネスの知識もない学生の場合、できるビジネスは限られると思います。
それ含めて、成功の可能性が低いということです。
単純に、選択肢が広ければ成功の可能性が高いわけではありませんが、少なくとも選択肢が限られているよりは多い方が起業していく上においては、有利だと思います。
しかしながら、学生起業の場合には、社会人に比べてもビジネスの知識や経験も少ないです。
また、打てる手というのが限られている状況では、成功の可能性が低いと考えるのが普通だと思います。
3.学生起業が失敗する理由
起業の失敗の理由というのは、学生に限らず共通しているものがありますが特に学生の場合は、その可能性が高いと思います。
なぜなら、一般的に社会人と比べても遥かにビジネス全般の知識や経験、資金が劣っているからです。
(勿論、全員が全員ではないですが)
3-1.起業して成功する力がない
起業成功に必要なありとあらゆる力がないということです。
例えば、次に挙げるような力です。
- アイデアを考え実行に移す力
- 起業資金を作る、集める力
- 商品やサービスを販売する力
- 仲間を集める力
- 事業を運営していく力
- その他
このように起業して成功する力が無い人の多くが起業して失敗しています。
当然と言えば、当然の結果です。
3-2.起業の準備不足
仮に起業する力があったとしても準備不足という原因もあります。
知識不足、資金不足、経験不足・・・。
起業というのは、不測の事態の連続です。
その不測の事態の連続に適切に対処していくには、起業前にしっかりとした準備というのは欠かせないのです。
3-3.起業と学業との両立が中途半端
いくら自由な時間が多い大学生とはいえ、全く学業をしないというわけにはいかないと思います。
日々の授業や試験、レポートの提出など学業としてやるべきことは最低限あります。
その上、起業して事業を行うというのは、学業と部活動などと同様のレベルでの両立はほぼ不可能(極めて困難)であると思います。
それにより、学生起業が失敗するというのが、理由の1つだと思います。
また、起業失敗に関しては、「起業失敗の原因と対策がハッキリと分かる!7つのこと」で起業失敗の原因と失敗しないための対策などについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
4.学生起業が失敗した際のリスク
学生起業が失敗した際のリスクも事前に考えておくべき必要があると思います。
4-1.卒業時に就職ができなくなるリスク
学生起業することにより、時間的な問題などにより学業が疎かになり単位不足や学生起業した
就活の時期にも影響があることによることが考えられます。
それにより、卒業時に希望の就職ができない就職浪人になる可能性もあります。
就職活動スケジュールは、毎年必ずしも同じではありません。
2016 年卒業の先輩から、従来 12 月から開始されていた企業エントリーが3カ月繰り下げられ、翌年の3月からになるなど、大きく変わりました。
選考が短期決戦となり、準備不足の学生は例年以上に内定獲得が難しくなると予想されます。
また、2016 年卒業の先輩からエントリー開始が3カ月繰り下げられたため、学業・部活などの課外活動に取り組みやすいというメリットはありますが、後から準備をしようと油断をすると、出遅れてしまう可能性があります。
参考サイト:マイナビ2017就活スケジュール早見表
4-2.経歴にマイナスの評価が下されるリスク
失敗したとはいえ、学生起業することによりプラスにはたらくと考えがちだと思います。
しかしながら、起業した内容や失敗の状況にもよるでしょうが、中途半端な学生起業だと、経歴にマイナスの評価が下されることも考えられます。
学生起業した会社の業績や状況によっては、就活する必要がない事もあると思います。
ただし、学生起業した会社が失敗して事業継続が不可能になったタイミングにもよりますが学生にとっては、重大なリスクが発生することになるということです。
5.学生起業が成功する条件
学生が起業する上で全体的に力不足な面はあるが、だからと言って、成功するのが不可能というわけではないと思います。
学生起業が成功するための条件として、考えられることを紹介していきます。
5-1.画期的アイデアを生み出す
まず一番重要になってくるのがアイデアです。
アイデア次第によって、学生起業が決まるかどうかと言っても過言ではないと思います。
取り立てて、経営資源(資金、人材など)というものがない学生の場合、アイデアを武器に経営資源を集められるからです。
学生だからこそ、若いからこその視点で斬新かつ画期的なアイデアを生みださなければなりません。
また、学生起業のアイデアとして現実的なジャンルがあると思うので、紹介していきたいと思います。
5-1-1.ネット関係のビジネス
ネット関係のジャンルでアイデアを考えてみるべきだと思います。
店舗を構えたり、設備投資が掛かるようなリアルビジネスのアイデアは学生起業にとっては、ハードルが高く実現性としては低いです。
ネット関係であれば、アイデアと工夫次第でコストが掛からず、画期的なアイデアを生み出す可能性があります。
5-1-2.ソフトやアプリ開発
学生起業するあなたが、文系または理系によっても、違うと思うが、文系だからNGというわけではないと思います。
あなた自身がソフトやアプリの開発が出来るのがベストですが、それこそソフトやアプリのアイデアがあれば開発できる人と組むもしくは、開発会社に依頼することで問題は解消されます。
これもネット関係と同様に、コストが掛からず、画期的なアイデアを生み出す可能性があります。
5-1-3.大学生向けの商品やサービス
これは正に、あなた自身が大学生であることの強みを最大限に生かせると思います。
大学生ならではの視点から「あったら良いなぁ~」と思う商品やサービス、日頃不便だと思っていることはないかなどの視点で見ると、大学生のあなたしか見えないモノがあるはずです。
5-2.アイデアを武器に資金調達する
学生起業の場合、魅力ある画期的なアイデアを武器(説得材料)に資金調達するのが現実的だと思います。
ですので、それがある前提で、話をすすめていきたいと思います。
ただし、それほど外部から資金調達をしなくても、事業をすることが出来るのであれば、必要ありませんが。
5-2-1.自己資金
アルバイトなどの状況にもよるでしょうが、100~300万円以上あるということは、ほぼないと思います。
アイデアの内容や規模にもよりますが、少なくとも、事業運営に必要な資金を自己資金で全て賄うのは理想ですが、現実的ではないと思います。
5-2-2.家族、知人
最も頼りになるのが、家族や知人になると思います。
ただし、最初から頼るのではなく、まずは、自己資金を自分の力で用意した上でそれでも足りない場合に限り家族や知人に頼るべきです。
なぜなら、自己資金も満足に用意していない状況では家族や知人からすると、起業することに対して本気度合いが分からないからです。
また、仮に家族や知人から借り入れが可能だったとしても、しっかりと借用書(契約書)を締結し、後々トラブルや信用問題にならないようにすべきだと思います。
5-2-3.公的機関
日本政策金融公庫や信用保証協会などの公的機関があります。
ただし、学生に無担保無保証人での貸付はあり得ません。
必ず、担保となるモノもしくは、保証人(主に親)が必要になります。
5-2-4.民間の金融機関
信用金庫、銀行などの民間の金融機関があります。
公的機関よりも審査は厳しいです。
当然ながら、担保となるモノもしくは、保証人(主に親)が必要になります。
5-2-5.ビジネスコンテスト
学生起業向けに開催されているビジネスコンテストに参加して、そこで優勝もしく上位の結果を出すことで資金を獲得することです。
資金調達が第一目標ですが、ビジネスコンテストに参加することにより、経験や他の学生のレベルなどが分かると思うので、積極的に参加すべきだと思います。
5-2-6.クラウドファンディング
ある目的に共感する人を主にネットを介して資金や協力金を得る方法があります。
ビジネスコンテストと同様に、資金を得られるかどうかは分からなくとも、利用してみてあなたが学生起業することや起業アイデアについての一定の評価は得られると思います。
5-2-7.ベンチャーキャピタル
最も可能性は低いですが、資金調達に成功すれば一気に成功の可能性が高まると思います。
勿論、それだけにベンチャーキャピタルから
出資を受けるといことは、かなり難易度が高いです。
しかしながら、ベンチャーキャピタルとしても、将来性があって画期的な商品やサービスのアイデアがある会社を日々探しています。
それが、社会人であろうが学生であろうが関係なく。
また、ベンチャーキャピタルから出資受けることになれば資金面以外の会社運営において必要なアドバイスや支援を受けることもできます。
ただし、ベンチャーキャピタルから出資を受けるということは、出資比率の問題から、その会社の支配権にも影響がありますので注意が必要です。
5-3.会社を運営する力が必要
画期的なアイデアを持ち、資金調達が成功したとしても=(イコール)、事業の成功ではないです。
そこまで出来て、ようやくスタートラインに立てたということを意味しているだけです。
それ以降に必要とされる力は、会社を運営していく力です。
具体的に紹介していきます。
5-3-1.必要な人材を集める力
内容や規模によっても違うと思いますが、アイデアを実現化させていくために必要な人材を集めていかなければなりません。
あなたにない能力を持つ人材です。
5-3-2.必要なお金を集める力
最初の資金調達の金額にもよりますが、事業が進んでいくと、思わぬ出費があったり当初計画した資金計画通りにいかなくなることも珍しくありません。
その際に、必要なお金を集めなければなりません。
5-3-3.必要な取引先を見つける力
これは、販売先や仕入先の両方が必要です。
あなたが起業する事業内容にもより仕入先は不要の場合もあるでしょうが絶対に必要なのは、販売先です。
販売する先がないと、売上や利益は発生しませんから。
6.学生起業が成功している事例紹介
学生時代に起業しているもしくは、大学に行っていない中退して起業して成功した経験を持つ人を
事例として紹介したいと思います。
あくまで、成功した経験を持つ人です。
なぜ、こういう書き方をするかというとこの記事を書いている時点では、成功しているかもしれませんがそれ以降は、成功事例ではなく、失敗事例として取り扱われる可能性があるからです。
また、これから紹介する以外にも名は知られていなくても、学生起業して成功している人達は、多数いるでしょうが有名(メディアで取り上げられている人)起業家のみの紹介とさせて頂きたいと思います。
学生とは思えないレベルの桁違いのスケールが大きい起業家もいますが、そういうところだけに注目するのではなく成功したヒントが隠されているので、見逃さずに読んで頂ければと思います。
どんな凄い成功をしていても、世界的なレベルの会社になっていようとも、一番最初は、ごくごく小さな一歩があったということが分かるはずです。
もしかすると、当人にとっても、そんな凄い会社になるとは思っていなかったかもしれませんし。
なお、会社名や個人名は敬称略とさせて頂きます。
6-1.日本の事例
まずは、日本の事例です。
起業に興味がある人であれば、知っている人が多くいるかと思います。
これから紹介する起業家から刺激とエネルギー、そして起業するとはどういうことなのかについて学んで頂ければと思います。
6-1-1.ソフトバンク/孫正義
生年月日:1957年8月11日
出身大学:カリフォルニア大学バークレー校
今や日本を代表する世界のソフトバンクを一代で築き上げた人物です。
ネットの回線や携帯(スマホ)などの通信事業、ロボットから投資事業まで幅広く事業展開をしています。
常にインフラに関連した大きなマーケットに狙いを定め、事業展開しているスケールの大きな事業家だと思います。
以下は、あるインタービューでのやりとり
――ソフトバンクは猛スピードで事業を広げています。
そこまで急ぐ理由は何でしょう。
孫さん:「企業の価値は挑戦と進化で決まる。受け継いだものを守るだけでは会社は大きく強くなれない。
世の中の進化に置いていかれて地盤沈下していくだけだ」と。
このやりとりに、孫さんの凄さが凝縮していると思います。
きっと凡人からすると猛スピードに見えていても、孫さんからすると、当たり前のスピードであるということです。
この圧倒的なスピードと危機感があるからこそ、ソフトバンクは常に進化成長していっているのだと思います。
6-1-2.パソナ/南部靖之
生年月日:1952年1月5日
出身大学:関西大学
人材派遣会社の大手であるパソナの創業者です。
1976年に人材派遣会社であるテンポラリーセンター(後のパソナ)を設立したキッカケは、結婚や出産で家庭に入った女性が、再び働こうと思っても就業機会がないのを解決しようとしたことだったそうです。
また、パソナを学生時代から立ち上げ、人材派遣業界のリーディングカンパニーとも言われているわけです。
しかも、その動機が既に社会問題を解決するという、価値を提供することだったわけですから、ビジネスが成功する原理原則を既に学生の時から理解していたのだと思います。
6-1-3.ぴあ/矢内廣
生年月日:1950年1月7日 –
出身大学:中央大学
映画やイベントなどのエンタメ系の情報雑誌である「ぴあ」の創業者です。
起業のきっかけは、大学卒業目前で普通に就職するのが、単純にイヤだったからだそうです。
どうせなら、「自分たちで自分たちのビジネスを作ればいいじゃないか」と。
元々、矢内さんは、映画が好きで大学時代は、映画研究会のサークルに入っていました。
そんな映画好きの矢内さんですが、当時は映画の情報を紹介しているメディアがほとんどなくて、見たい映画を見逃すことが多かったそうです。
それをヒントに、映画の情報をまとめた情報雑誌を創ろうというのが「ぴあ」の創刊に繋がったそうです。
それから、映画以外にも演劇や音楽などのエンタメ情報の情報誌へ発展していき、チケット販売の最大手までに成長しています。
普通のサラリーマンになりたくないという反骨精神と身近なできごとからビジネスのヒントを得るという貪欲さが素晴らしいと思います。
6-1-4.リブセンス/村上太一
生年月日:1986年10月27日
出身大学:早稲田大学
アルバイト情報サイト(ジョブセンス)を運営するリブセンスの創業者です。
従来のアルバイトサイトは、掲載するだけで掲載料金が掛かっていました。
そこで、リブセンス(ジョブセンス)はアルバイトを採用できたらその時点で報酬をもらう、成果報酬型のビジネスモデルを展開してマザーズへ上場後、東証一部へ市場変更するくらいに急成長した会社です。
両祖父が経営者の影響もあってから、小学生の頃から「将来は社長になる」と決意していたそうです。
高校卒業後の2005年4月、早稲田大学政治経済学部経済学科に入学。
同大学1年生在学時、大学の「ベンチャー起業家養成基礎講座」が実施したビジネスプランコンテストで優勝した経歴があります。
ジョブセンスのビジネスモデルを思いついたきっかけは、自身が高校時代に体験したアルバイト探しにあったそうです。
求人雑誌などには掲載されていないアルバイト情報が街を歩けばたくさん載っている。
なぜ、店側は求人雑誌に掲載しないかというと、人を採用できなくても、高い掲載料金が掛かるからというのが理由だということを知り、そこにビジネスが成り立つと思ったということです。
既に他の業界では、成果報酬型のビジネスモデルがありましたが、ジョブセンスが出てくるまでは、求人サイトは掲載料金が人を採用できてもできなくても掛かるのが当たり前の業界でした。
その常識を覆し、見事に事業化したのは見事だと思います。
6-1-5.オークファン/武永修一
生年月日:1978年
出身大学:京都大学
オークファンの創業者です。
オークファンは、武永修一さんが、京都大学在学中に個人事業としてネットオークションを始めたサービスでオークションやショッピングサイトで出回っている商品の取引相場を知ることができるサービスを展開しています。
2013年4月にマザーズへ上場しています。
武永修一さんは、子供のころから含め起業することを全く考えていなかったそうです。
しかしながら、大学時代に起業のきっかけとなるできごとがあったそうです。
それは、自分が使用しているノートパソコンを買い替えの為に中古パソコン店に持っていたら思いのほか査定金額が安かった。
売る気になれなかったのでネットオークションで売ってみたら、なんと当初の査定金額の4倍以上で売れた・・・。
それがきっかけでネットオークションに興味を持ち、リサイクルショップや問屋で商品を仕入れて
ネットオークションで売るようになったそうです。
それから、事業開始3年で、個人事業主として年商が1億円を突破したことで2004年にオークファンの前身である株式会社デファクトスタンダードを設立となったそうです。
自身の体験からビジネスのヒントを見つけ、直ぐに行動していくという、先見性と行動力は素晴らしいと思います。
6-1-6.Gunosy(グノシー)/福島良典
生年月日:1988年
出身大学:東京大学
グノシーの創業者です。
グノシーは、旬のエンタメやスポーツなどの幅広い情報のトピックスがまとめて(情報キュレーションサービス)読むことが出来るサービスを提供しています。
2015年4月マザーズへ上場しています。
福島良典さんは、東京大学大学院で、オペレーションリサーチ、データマイニング、情報推薦の研究に従事していた経験があり。
個人としても、国が推進するスーパープログラマ発掘事業「未踏」にて、「未踏スーパークリエータ」に認定されるという実績の持ち主です。
学生時代に既にグノシーを立ち上げ、卒業の時点でユーザー数は5万人に達していたそうです。
その時に福島良典さんを含む創業メンバーで話し合いの機会があり、このまま就職して週末の趣味としてグノシーをやっていくか、それともビジネスにしていくか・・。
そして、選んだ道はビジネスとしてグノシーを行っていくということだったそうです。
学歴やプログラマーとしても、凡人の領域を遥かに超越した感がありますがと同時に、ビジネス成功の要諦というのも、しっかりと理解している感を受けます。
6-1-7.ヴォラーレ/高橋飛翔
生年月日:1985年12月14日
出身大学:東京大学
ヴォラーレの創業者です。
ヴォラーレは、SEOサービスやスマホのアプリサービスなどをサービス提供しています。
特筆すべきは、スマホのアプリサービスである「Appliv」はスマホ自体の急成長の影響も大きくあるでしょうが立ち上げわずか1年程度で月間PV1,000万という凄まじい勢いがある点だと思います。
高橋飛翔さんは、当初から起業をしたいと思っていたわけではなく、最初は政治家になろうと思っていたそうです。
しかも、首相を多く輩出しているのが東大法学部だったので、東大法学部に進学したとのことだそうです。
しかしながら、周りの話しを色々と聞いていくと、政治家には派閥や政党、選挙に関する問題など含めて、しがらみが多く存在することを知り、既存の政治家になるのでは意味がないと思ったそうです。
そして、東大法学部を卒業して企業に入り、政治家になるよりも、もっと良い方法を思いついたそうです。
それが、起業して40歳までに1,000億円くらい集め自身の政党を創るということ。
起業して成功することが最も最短距離であることに気づいたそうです。
高橋飛翔さんからは、思っていることをいとも簡単に成し遂げている感を受けます。
しかしながら、その裏には才能は勿論のこと並々ならぬ努力があるからこそ実現させているのだと思います。
6-1-8.クックパッド/佐野陽光
生年月日:1973年5月1日
出身大学:慶應義塾大学
クックパッドの創業者です。
クックパッドは、料理のレシピサイトを運営しています。
アクセス数、登録レシピ数は日本屈指を誇ります。
佐野陽光さんは、学生の頃、何がしたいのか真剣に考えていた中で、最終的に「スカッとした心からの笑顔を増やしたいんだ」という答えに行き着いたそうです。
具体的には、自分や自分の家族や友達を含め、多くの人にスカッとした笑顔を増やすこと。
「色々とアイデアを考えていった際においしい物を食べることは、良い映画や景色に出会った時のハピネスと比べても引けを取らないと確信。
毎日の作業になりがちの料理を楽しみにするきっかけを増やしていくという、このボタンさえ押せば、笑顔が増えていくとわかってしまったのです。」
それが、クックパッドの始まりだったそうです。
何ともユニークというか、佐野陽光さんという人間の人の良さが伝わってくる起業のきっかけです。
よく人が最も力を発揮する時というのは、自分自身の為ではなく自分の大切な人の為に行動する時だと言われます。
私自身もそう思いますし、恐らく、それが真実だと思います。
6-1-9.レバレジーズ/岩槻知秀
生年月日:1980年
出身大学:早稲田大学
レバレジーズの創業者です。
レバレジーズは、看護系の転職サイト「看護のお仕事」という求人サイトを運営しています。
岩槻知秀さんが起業を考えるきっかけとなったのは、19歳の時に読んだナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」との出会いだそうです。
ただ、家族がマスコミ一家だったこともあり、自分もマスコミへ進むだろうと漠然と思っていた時もであったそうですが。
ただ、「人生一回しかないのだから、起業家という人生を送ったらおもろいかもしれない」と。
「目標があったら、それまでに代償を払わなくちゃいけない。その代償として人一倍努力することや勉強することは当たり前でした」。
その後、大学入学後にバイクを買ったり、学習教材など諸々と買い物をしたころ一気に借金が200万円程にと同時期に、父親の事業が失敗し仕送りが大幅に減少し、お金の面で苦労をしたことがあったそうです。
自身がお金に苦労した経験があるからこそ、お金がない人や自分を向上させたいという強い意欲のある人に、スキルや労働機会を与える仕事がしたいと思ったことが今の事業を起こしたそうです。
ちなみに、私も大学1年の19歳の時に、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」を読んだ経験があります。
自己啓発書の王道中の王道の本です。
さて、岩槻知秀さんは自身のお金の面で苦労したという経験をプラスに生かして、起業したというのは正に「思考は現実化する」にもある、逆境をプラスに変える(逆境の中には、それと同程度もしくはそれ以上の恩恵がある)ということを実践している点が素晴らしいと思います。
6-1-10.メタップス/佐藤航陽
生年月日:1986年
出身大学:早稲田大学(中退)
メタップスの創業者です。
メタップスは、他の学生起業とは、スケール感が違うグローバルな事業展開をしています。
世界8か国にオフィスがあり、13以上の国籍メンバーがいるそうです(2015年8月現在)。
また、2015年2月には、あまりかシリコンバレーなどのベンチャーキャピタルなどから43億円以上の資金調達をしています。
サービス内容としては、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援する「metaps」と手数料無料の決済サービス「SPIKE」の事業を展開しています。
また、2015年8月28日にマザーズへ上場しました。
佐藤航陽さんの実家の教えは、「自己責任で生きる」。
15歳くらいから、自己流の商売を始め、生活費などを稼ぐようになったそうです。
早稲田大学法学部に入学し、当初は、弁護士か政治家を目指していたそうですが、日本の政治・経済の仕組みを変えるためには、事業で成功することが近道と思ったそうです。
そう思ってからは、大学1年に休学届を出し、その後中退。
授業料として確保していた150万円を原資として、2007年に現在のメタップスの前身であるイーファクター(現メタップス)を設立したそうです。
既に家庭環境からして「自己責任で生きる」という、珍しいというか素晴らしいというか起業家向けの家庭環境で育ったことだけは間違いないと思います。
また、スピード感ある行動力と決断力も見逃せない起業家としての資質があると思います。
それら含めて、起業家になるべくして生まれてきた人なのかもしれません。
6-2.海外の事例
海外の事例は、正に世界レベルの成功者の名前を挙げていきます。
名前や社名を聞いたことはあると思います。
そんな彼らがどのようなことを考えて行動し世界レベルの起業家として成功していったのかについて、紹介していきたいと思います。
6-2-1.マイクロソフト/ビル・ゲイツ
生年月日:1955年10月28日
出身大学:ハーバード大学(中退)
マイクロソフトの創業者です。
パソコンのOSであるWindowsを開発、販売。
また、1994年~2006の間、13年連続で世界一の大富豪になったことでも有名で2006年の個人資産は、
推定約6兆円と言われています。
マイクロソフトは、1975年にビル・ゲイツと共同創立者でもあるポール・アレンが設立しました。
当時、ビル・ゲイツとポール・アレンは、パーソナルコンピューターこそ将来への道筋だと確信していたそうです。
パソコンのOS(オペレーティングシステム)であるWindowsをものすごく簡単に言うと、誰でも簡単にパソコンが操作しやすいようにしてくれるプログラムというものです。
それ以前のパソコンを操作する場合には、コマンド(パソコンへ命令する)をキーボードで文字を入力しなければ、ならなかったわけですから。
そのような作業というのは、ごく限られた人やプログラムに詳しい人しかパソコンを操作出来なかったわけです。
その解決をするために開発されたのが、Windowsというわけです。
今は当たり前のように、マウス操作が出来て手軽に誰でもパソコンが操作できるようになったのも、WindowsのOSがあるからこそだと言えます。
世界中の人達がパソコンを手軽に簡単に操作できるようにしたWindowsの功績は、とてつもなく大きいと思います。
だからこそ、ビル・ゲイツは、結果的に世界No.1の大富豪になったというのも頷けます。
6-2-2.アップル/スティーブ・ジョブズ
生年月日:1955年2月24日
出身大学:リード大学(中退)
アップルの創業者です。
パソコン・マッキントッシュの開発やipod、iphoneなどの革新的な商品を生み出し常に時代の最先端を行く偉大なる人物の一人だと思います。
世界中に、スティーブ・ジョブズの考え方や生き方に憧れてるファンや起業家も多くいます。
リード大学在学中に、大学へ行く意味をどうしても見いだせなかったスティーブ・ジョブズは、大学を中退。
その10年後に、実家のガレージからスタートしたアップルは、Macコンピューターを開発します。
ただ、そのMacの綺麗なフォント(文字のデザイン)は、リード大学在学中に学んだ、カリグラフィ教育のよるものだと語っています。
そして、たった10年ほどで総資産20億ドル以上へと成長。
しかしながら、ここでスティーブ・ジョブズは、当時の経営陣との確執により、アップルから解雇されてしまいます・・・。
その後、映画「トイストーリー」で有名なピクサー社を設立し復活を成し遂げます。
そして今度は、業績低迷に陥っていたアップルのCEOへと復帰をし、次々と世になかった革新的な商品を生み出し、一時は、アップルの株式時価総額が世界で初めて7,000億ドルを突破するほどにした立役者でもあります。
スティーブ・ジョブズは、起業家であると共に優れた芸術家、そしてテクノロジーにも深い理解があった人物であり歴史的にみても稀有な存在だと思います。
だからこそ、スティーブ・ジョブズ亡き後でも、彼の生き方やポリシー、デザインに共鳴しているファンが世界中にいるのだと思います。
6-2-3.デルコンピューター/マイケル・デル
生年月日:1965年2月23日
出身大学:テキサス大学・オースティン校(中退)
デルコンピューターの創業者です。
デルコンピューターは、販売店やディーラーを介さずに、顧客から注文を直接受けてから生産し販売するという当時としては、画期的な直販モデルを構築。
そんなデルコンピューターは、1984年マイケル・デルが、19歳大学時代に大学寮の一室からたったの10万円ほどの資金から始まりました。
自らがパソコンを組み立て、在庫を持たず中間業者を介さずに注文生産をしていったのです。
しかも、当時からサポートまで手厚く付けていたそうです。
それからたった8年後の1992年、デルコンピューターは、フォーチュン500にランクインするほどの大企業へと一気に成長します。
また、目まぐるしく変わるパソコンの世界シェアにおいても、デルコンピューターは、世界市場シェアでNo.1の実績があります。
しかしながら、スマホやタブレットPCなどのデバイスが、市場に出てくるようになってからは、世界的にPCの出荷台数は減少傾向にあります。
そんな状況でも、未だPCマーケットにおいては、業界トップクラスに位置しているのがデルコンピューターです。
たった10万円ほどの資金とアイデアによって、世界的な大企業まで成長させるというのは、正にアメリカンドリームの体現者の一人だと思います。
資金がないから起業が出来ないというのは、単なる言い訳だということが分かります。
6-2-4.ヴァージン・グループ/リチャード・ブランソン
生年月日:1950年7月18日
ヴァージン・グループの創業者です。
知る人ぞ知る世界的な起業家の1人です。
ヴァージンレコード、ヴァージン・アトランティック航空、ヴァージン・ギャラクティック(宇宙旅行事業)など幅広くスケールが桁違いの事業を展開しています。
リチャード・ブランソンは、10代後半で高校を中退しています。
最初は、中古レコードを取り扱う通信販売の事業で成功を収め20代で「ヴァージン・レコード」というレコードレーベルの会社を設立して、一気に成長、成功していきます。
その後は、一気に事業展開のスピード早め航空会社、携帯電話、コーラ(飲料事業)、映画館、宇宙旅行事業などと多角化事業をしていき、知名度および事業の拡大をしていきました。
また、冒険家としても有名一面があり、1987年には熱気球による大西洋横断、1991年には熱気球による太平洋横断などの記録があります。
常人では越えられないような感覚の持ち主であることは間違いありません。
また、リスクなどの恐怖心を乗り越えて事業の展開および冒険をしていく姿勢と言うのは、正にベンチャーであり起業家として重要なモノを示してくれているのがリチャード・ブランソンだと思います。
6-2-5.Facebook/マーク・ザッカバーグ
生年月日:1984年5月14日
出身大学:ハーバード大学
Facebookの創業者です。
今や世界的に利用されているソーシャルメディアの運営をしています。
そもそもこのFacebookが誕生したのは、マーク・ザッカバーグがハーバード大学内の女子学生の容姿を見比べて勝ち抜き投票させるという「フェイスマッシュ」というゲームを始めたのがキッカケだったそうです。
しかしながら、その「フェイスマッシュ」は大学内で問題になりマーク・ザッカバーグは、大学から保護観察処分を受けてしまいます。
その後、「フェイスマッシュ」ではなく、今の原型となるFacebookに改良し、友人同士をweb上で繋ぐ
いわゆるソーシャルメディアとして生まれ変わったという具合です。
Facebookが誕生したのは2004年、ちょうどその頃には、日本でもSNS系のサービスを行っていたミクシィやグリーがあり一定の盛り上がりは見せていたものの、今のFacebookほどの利用状況ではありませんでした。
Facebookが日本で公開されたのは、2008年。
ミクシィやグリーのSNSサービスは、実名ではなく偽名や仮名などでの利用がほとんどであったのに対し、Facebookは実名でのやり取りを基本とし、ごく限られた知り合い同士の新しいメディアとして広がりを見せ始めていったという具合です。
インターネット上のサービスにおいて、よくFacebookが検索エンジンのGoogleと比較されます。
ですが、明らかに違う軸での事業展開をしていると思います。
その理由は、Googleは、「情報(不特定多数の)」を軸にサービス展開していますが、一方のFacebookは、「人(友人・知人の情報)」を軸にサービス展開しているからです。
Facebookが誕生したのも、ビジネスをやろうというキッカケではなかったというのが面白いです。
ですが、結果的には、人が必要とする利用したいと思えるシステムを開発したのには変わりがなく、素晴らしい成功事例だと思います。
また、いつの時代も、人は人とコミュニケーションを取りたい生き物です。
それがその時代に適した形になって世界中の人達に受け入れられたのがFacebookだということだと思います。
7.まとめ
これを読んでいるあなたが、学生起業をすることをどこまで本気で考えているのか。
本気で成し遂げたい何かがあるのか、また、それを成し遂げるために必要な頭脳やリソースがあるのか。
それにより、本当に学生の時点で起業すべきかどうかが分かると思います。
もし、あなたが学生起業することが単にカッコイイと思っているのならそれは、大きな勘違いだと言わざるを得ません。
なぜなら、学生起業の成功事例などを見る限り分かることは、学生が起業することが先ずあるのではないということです。
猛烈にやりたいこと、実現したいことがあり実際に行動した時点が、たまたま学生であったということだと思います。
そういう考えというか志を持って起業することが、本当の意味でカッコイイということだと気づいてほしいと思います。
人生は短いようで長い、焦らずじっくりとまずは、自分自身が本当に何をやりたいのかを見定めてから、起業しても遅くないと思います。
是非、ここに書いてある通りの内容を参考に学生起業をするべきなのかどうかについて決断してほしいと思います。
また、起業成功について「起業成功するために、絶対に知っておきたい7つのこと」で起業成功のための条件や必要なスキルについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。