起業準備に必要な8つのポイントと諸手続きが分かる

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あなたは起業するにあたり、以下のようなことで悩んでいないでしょうか?

  • 起業準備をいつからしていけばよいのか
  • 起業準備資金はどのくらいかかるのか
  • 起業準備中に、失業手当(失業保険)をもらえるのか
  • 起業準備というのは、どのようなことをしていけばよいのか


さて、私は、23歳で起業し、一時は、年商3億円以上になり上場を目指す規模までいきました。

しかしながら、10年後に倒産を経験。

それから、約2年間、上場会社2社の社長室(東証一部:年商5,000億円超など)でビジネスキャリアを積みました。

そして、再度起業し3年で年商1億円を突破、営業利益と役員報酬の合計が1億円を超すと共に5年以上黒字経営を実現しています。

いずれの起業の際においても感じるのは、如何に起業する前の準備が大事であるか、ということです。

その経験を基に、起業するには、まず何から始めれば良いのかから、起業に必要な準備や諸手続きなどについて紹介していきたいと思います。

きっと、この本文を読み終えるころには起業準備において、具体的に何をしていけば良いのかが分かると思います。少なくとも、起業準備の全体像が掴め理解が深まることは間違いありません。

目次

1.起業準備に必要な8つのポイント

起業準備がしっかりとできるかどうかが、起業後に成功するか失敗するのかが決まると言っても過言ではないです。

これは私の経験上(肌感覚的)とデータ上(※1、2)の根拠としては、起業が失敗しているのは、そもそも実力不足の人が半分、もう半分は、準備不足が原因だからです。

つまり、起業準備がしっかりとできない人は、起業しても成功する力がない人ということです。

また、必要な起業準備ができて、最低限の起業のスタートラインに立てることを意味しています。

※1新規開業企業が苦労していること(3つまで複数回答)
(開業後1年以内の企業)

  • 顧客、販路の開拓:44.2%
  • 資金繰り、資金調達:39.7%
  • 従業員の確保   :28.1%

※2顧客・販路開拓に関する苦労(顧客の確保・獲得の状況)

  • 十分に確保していた:8.7%
  • ある程度は確保していた:54.7%
  • まったく確保していなかった:36.6%

2014年度・新規開業企業における顧客の確保・獲得ポイント日本政策金融公庫調べ

それでは、起業するうえにおいて必要な8つのポイントについて紹介していきたいと思います。

1-1.起業する日を決める

まず最初は、いつ迄に(例:30歳迄に)起業するもしくは、具体的に〇〇年△月□日に起業するとめることを強くおススメします。

なぜなら、起業する日が決まらないことには、全ての準備を計画通りかつ真剣に準備することができないからです。

よくあるのが「資金が準備できたら、起業します。」「起業アイデアが見つかったら、起業します。」という類のモノです。ですが、こういう人が起業することは、ほとんどありません。

本気で起業する気がない人と本気で起業する気がある人の準備の取り組み方は、全く違います。それが、明確にいつ迄に起業するのかということを決めているかどうかです。

明確に起業する日を決めるというのは、本気で起業するという覚悟を決めるということでもあります。そうでなければ、起業はできないと思います。

1-2.起業資金関係

起業するには、資金がなければ始まりません。法律上、資本金が1円でも登記は可能です。

そのこと自体が過剰に注目された時期もあり資金がなくても起業はできると錯覚している人も多くいると思います。

しかしながら、実際には起業したら分かりますがオフィス、人件費、広告宣伝費、交通費、消耗品費など起業して、事業を始めると、何をするにでもお金が掛かります。ですから、十分な起業資金の準備が必要です。

1-2-1.起業資金と生活資金を貯める

起業に関して準備する必要がある資金は、2種類あります。

1つは、事業を展開していく上においての起業資金です。起業資金の金額は、起業するアイデアの内容や規模などによってその金額は違うと思います。

ですが、目安としては、仮に1年間売上が0円だとしても倒産しない金額を準備することです。

もう1つは、自分自身の生活資金です。目安としては、現在の生活レベルにおいて、1年間給料がない状態でも生活していける金額を準備することです。

特に起業間もない時期は、生活レベルも必要最低限にするように努めるべきだと思います。

1-2-2.資金調達の選択肢を検討する

起業資金の資金調達をどうするのかということです。自己資金、借り入れ、出資など色々と選択肢があります。

基本的には、最初から外部からの借入を前提として考えるのではなく自己資金を貯めることを最優先にすべきだと思います。

なぜなら、自己資金内で事業を行うのがそれ以上の金銭的なリスクがないことを意味しているからです。

また、資金調達については「起業資金を総額6,000万円以上調達した経験者が語る6つの記事」で起業資金の調達先の情報や資金調達を成功させるための具体的な方法について、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。

1-3.起業アイデア関係

起業資金を準備しつつ起業アイデアを考えていきます。起業アイデアは、じっくりと時間を掛けて考えた方が良いと思います。

なぜなら、そのアイデア次第によって起業が成功するかどうかが大きく左右される要素だからです。

いわば、どんな事業内容で起業するのかというのは戦略をどうするのかということになります。

”戦略による過ちは戦術により補い難く”という格言がある通りにこの戦略次第で、起業が成功するかどうかの半分以上は決まると言っても過言ではないと思います。

1-3-1.商品やサービスを決める

起業するにあたり、どんな商品やサービスを販売するのか。どんな商品やサービスを提供販売すれば、売上や利益が上がるのか。世の中には、どんなニーズがありビジネスになりそうなのか。

1-3-2.ライバルのリサーチをする

自分が考えているビジネスプランがあったとして、そのビジネスを既にやっている競合はあるのか。あるとしたら、その競合に勝てるのかどうかないとしたら、なぜないのか。

競合の商品やサービスの内容や価格は、どうなっているのかなど、突き詰めて考え徹底的にリサーチする必要があります。

競合の状況を調べることにより、自社の商品やサービスがどうあるべきかが分かってきます。その上で、ライバル会社との差別化ポイント決めます。

差別化ポイントというのは、ライバルと比べてどういう部分が優れているのか(価格、サービス品質、対応スピード)という点を明確にすることです。

1-4.起業後の営業関係

起業して営業活動をどのようにしていくのかを起業前に準備しておきます。

どのような事業内容で起業するかの起業アイデアが戦略ならばこの営業関係の準備は、戦術に位置づけられます。

1-4-1.仕入先を決める

仕入れ先については、自社で商品やサービスをオリジナルで用意できているのであれば必要ありません。

ですが、それ以外の場合は、どこからか商品やサービスを仕入れて販売するわけですから、仕入れ先の確保が必要となります。

また、あわせて販売先、少なくとも販売先の候補となるところはある程度決めておいた方が良いです。

1-4-2.販売方法を決める

業種業態によって販売方法違いますが、次に挙げるいくつかの方法があります。

  • リアル店舗
  • 移動販売形式
  • 店舗もたず紹介を受ける
  • ネットで販売する(自社メディア、アフィリエイト)

勿論、これらの複合的な方法を活用しても良いと思います。

1-4-3.販売価格と代金回収方法を決める

商品やサービスの販売価格を決めておきます。”値決めは、経営である”と言われるくらいに重要なモノです。

どれだけ優れた商品やサービスであっても、適切な販売価格を設定しなければ、売上や利益を確保できません。

つまり、事業がうまくいかないということを意味しています。ですから、慎重に販売価格を決める必要があります。

また、代金回収方法ですが、業種業態によって代金回収方法違いますが、次に挙げるいくつかの方法があります。

  • 即時現金にて回収
  • 銀行振り込みにて回収
  • クレジットカード支払いにて回収

勿論、これらの複合的な方法を活用しても良いと思います。

また、前払いなのか後払いなのかも含めて代金を確実に回収できる方法を決める必要があります。代金を回収できてはじめて、売上利益が上がるわけですから。

1-4-4.営業ツールを用意する

業種業態によって準備すべき内容は違いますが、最低限必要な営業ツールを紹介します。

  • 名刺
  • 封筒
  • 会社パンフレット
  • ホームページ

これらを自社でデザイン含め作成して準備できる人もいるかもしれませんが、多くの場合は、専門会社に依頼することになると思います。

また、専門会社に依頼する方が金銭的かつ時間的なコストを考えても費用対効果が高いと思います。

1-5.起業する際の雇用と採用方法

起業には、人・モノ・カネ・情報が必要だと言われます。

どれも重要ですが、特に人については、起業する本人の実力含め本人以外の人材の良し悪しが起業成功に大きな影響があります。

起業する規模やレベル業種業態によって違うと思いますが、起業する当初は1人でいくのか、それとも他に人を雇うのかどうかを決める必要があります。

他に人を雇うとしたら、どんな能力やスキルがある人にするのか昔からの知人を雇うのか、全くの新規で探し集める人を雇うのかということを決めておきます。

社員を雇用する場合は、雇用形態と雇用条件を決めなければなりません。

雇用形態は、次に挙げるいくつかのパターンがあります。

  • 正社員
  • 契約社員
  • 派遣社員
  • パートやアルバイト

それに伴い、雇用条件として、給与体系、休暇、福利厚生などをどのようにするのかを決める必要があります。

雇用形態と雇用条件は、セットで考えると人件費や社会保障費にどのくらいお金が掛かるのかが見えてきます。

社員を集める方法は、次に挙げるいくつかのパターンがあります。

  • 人の紹介を受ける
  • 人材紹介会社の利用
  • ハローワークの利用
  • 求人雑誌(フリーペーパー、ネットの求人サイト)

どのような人材が必要かを明確にすることにより社員を集める方法も違ってくると思います。

1-6.店舗やオフィス関係の準備

オフィス関係の準備は、起業準備においては最後の方になるかと思います。

ですが、オフィスを設けるかどうか、またどんなオフィスにするのかどうかというのは、固定費(基本、毎月確実に掛かるお金)に関わってくることなので重要なポイントです。

業種業態により、店舗が必要であったりオフィスが必要であったりすると思います。店舗の場合であれば、どのような立地にするのか。

オフィスであれば、自宅をオフィスにするかレンタルオフィスにするのかどうか。特に起業当初は、極力固定費が掛からないようにすべきです。なぜなら、売上は未確定ですが、固定費というのは、毎月確実に出ていくお金だからです。

家具や備品などは、必要最低限のモノを準備します。電話回線やネット回線も必要であると思いますが極力、低価格のサービスを利用します。

これも固定費同様に、あまりお金を掛けずに準備したほうが良いです。少しでもお金を掛けないことを念頭に準備すべきです。

1-7.事業計画書を作成する

起業するスケジュール、起業資金、起業アイデア、人員の確保などをどのようにするのかを決めていくと共に具体的な数値含めそれらについて事業計画として、事業計画書を作成していく必要があります。

この事業計画というのは、起業する本人のためであると共に資金調達が必要になった際に、外部の人たちへの説得材料としても必要になってきます。

当然ながら、精度が高い事業計画でなければ意味がありません。

また、ビジネスプラン(事業計画)については「事業計画書の書き方で重要な4つのポイントが分かる!」で詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。

1-8.起業や会社経営についての勉強

起業や会社経営について勉強することは、起業をすると決めたその日から、継続して行う必要があることです。

  • 起業とは、どういうものなのか?
  • 起業のメリット、デメリット、成功するためには何をすればよいのか?
  • 失敗を避けるには何をすればよいのか?

起業に限らず、最低限の知識がなければ、話しになりません。

起業して成功や失敗をしている人の話を聞く、本やセミナーなどで情報収集して勉強する。あなたが、この記事を読んでいるのも1つの情報収集とも言えます。

情報収集として最も適しているのは、本やセミナー動画教材(ネットの情報など)は、いつでもどこでも誰でもできることですので、起業して成功したいのならば、やるべきだと思います。

起業や会社経営について読んでおくべき本のジャンルを次に挙げます。

  • 成功、失敗経験のある起業家(経営者)の本
  • 経営戦略系の本
  • マーケティングの本
  • 古典や歴史の本
  • 名言集

これらのジャンルは最低限読んでおいて損がないどころか読んでおかないと損すると思います。

本以外にも、セミナーや教材で学ぶことは効果が高いと思います。

勿論、そのセミナーや動画教材のレベルにもよりますが、できたら、起業成功経験がある起業家が行っているセミナーへ行ったり、動画教材で学ぶのがベストだと思います。

本は文字を読むだけですが、セミナーや動画教材というのは文字と音(目と耳を使いながら学習効果は高い)を通して学ぶことにより、理解度が深まると共に記憶の持続性が高いと言われています。

またセミナーに関しては、「起業セミナーへ行く前に読まなきゃ損する4つの必読記事」で、どのようなセミナーへ行くべきなのかについて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。

2.起業準備の諸手続き

起業するにあたり諸手続きが必要になります。

実際に会社設立していく際に必要な書面や銀行の口座開設、税務署関係へ提出するものなどについて紹介していきたいと思います。

2-1.会社設立に関連する手続き(定款作成)

まず最初に、会社設立するには、定款を作成しなければなりません。

定款というのは、会社の事業内容や目的、組織運営体制などを明文化したものであり、会社法により定款の作成は義務付けられています。

定款は、会社を設立する人(発起人)が作成し公証人の認証を受けることにより定款としての効力が生じます。

2-1-1.定款の記載事項

定款には、次に挙げる3つの事項があります。

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項

絶対的記載事項は法律によって、定款に必ず記載しなければならない事項です。
この絶対的記載事項を欠く場合、その定款自体が無効となりますので注意が必要です。

絶対的記載事項は、次に挙げる項目です。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 会社設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称及び住所

相対的記載事項は法律によって、定款に記載しなければ効力を持たない事項です。定款に記載しなくても定款全体の有効性には影響はありません。ただし、定款に記載しなければ、当該事項が効力を有しないということです。

相対的記載事項を例として、次に挙げる項目です。

  • 取締役の任期伸長
  • 設立時の取締役、監査役、会計参与
  • 株券の発行
  • 株式の内容に関する定め
  • 株主総会招集期間短縮
  • 譲渡制限株式についての売渡し請求の旨
  • 株式会社の負担する設立に関する費用

任意的記載事項は定款に記載してもしなくても、 定款自体の効力に影響がないことはもちろん、それ自体の効力にも影響はありません。

任意に定款で定められる事項です。ただし、定款に記載すると、定款変更の手続きによらなければ変更できなくなります。

では、なぜ任意とはいえ任意的記載事項を定款に記載するのかというと重要事項を明確にしておくという目的にあります。

任意的記載事項を例として、次に挙げる項目です。

  • 営業年度
  • 役員報酬に関すること
  • 株主総会の召集時期
  • 株主総会の議長
  • 配当金の支払いに関すること
  • 取締役及び監査役の員数

2-2.会社の印鑑を準備する

会社設立する際に必要な印鑑には、代表者印(実印)、銀行印、角印の大きく3つの種類の印鑑が必要になります。

  • 代表社印(実印)
  • 銀行印
  • 角印

実は、代表者印、銀行印、角印であろうが、使う印鑑によって契約の効力が変わるということはありません。
つまり、印鑑の種類によって契約書への効力に違いはなく、同じ効力だということです。

なぜなら、民法においては、双方の合意があれば契約は成立しているとされているからです。ですから、代表者印でなんであろうが、契約書の効力自体は同じですので捺印する際には、十分に注意が必要です。

それを踏まえて、それぞれの違いと役割について紹介していきたいと思います。

  • 代表社印(実印)
  • 代表社印(実印)は、法人の設立登記の際に法務局に印鑑証明登録として届け出する印鑑であり法人として最も重要な印鑑です。

    基本的に、社内の日常業務などで使用するのではなく、主に対外的な重要な契約などに用いられる印鑑です。

    例えば、対外的な契約書、税務署やその他の国の機関などへ提出する書類などに利用します。

    また、代表社印(実印)が、他の印鑑と違う重要な点は、その印鑑(代表社印)が法的に登録されている
    印鑑であることを法務局が証明してくれる点になります。

    ですから重要な契約などにおいては、相手先から代表社印(実印)と印鑑証明書の提出を求められる場合があります。最も重要な印鑑であるからこそ、保管管理をしっかりする必要があります。

  • 銀行印
  • 銀行印は、会社専用の銀行口座開設する際に、該当の口座を利用する際に登録する印鑑です。

    これは会社の規模にもよりますが、代表者が1名で経理社員がいない規模の場合であれば代表社印を銀行印として登録することも可能です。

    しかしながら、基本的には代表社印を銀行へ届け出する印鑑として利用するのは、避けた方が良いです。

    特に経理社員が銀行口座の管理や支払いなどの対応する場合には、代表社印を銀行印として併用するすることがないのが一般的です。

    なぜなら、代表社印を銀行印としても併用することは、代表者印の役割がさらに強まると共に経理社員による金銭的な不正が起こるリスクが高まるからです。

    また、該当の銀行の通帳と銀行印があれば、口座から預金の引き出しや振り込みなどの対応ができますので
    盗難リスクや不正防止の観点より、銀行通帳と銀行印は、同じ場所ではなく、それぞれ異なる場所に保管管理する必要があります。

  • 角印
  • 角印は、代表社印や銀行印とは違い、法務局や銀行への登録などの手続きが必要のない最も日常的に利用する印鑑です。ちなみに、代表者印が、丸い形状なのに対して、角印はその名の通りに四角い形状の印鑑です。

    基本的に、代表者印は、代表者やそれに準ずる人もしくは、代表者から指示を受けた担当者が保管管理、使用することになります(代表者の承認の上)。

    その代表者印を、日常業務含めすべてに利用していては、業務効率が悪くなります。そこで、代表者印を使うほどではない案件に対して利用するのが角印なのです。

    角印を主に利用するのは、見積書、請求書、納品書、領収書などを発行する証明および承認した旨を意味するために角印を捺印します。

2-3.会社の銀行口座開設

会社の銀行口座開設に必要なモノを次に挙げます。これらは、どの銀行でも提出を求められるものです。

  • 登記簿謄本(会社設立後1~2週間程度で取得が可能)
  • 法務局へ届け出た代表印と印鑑証明書
  • 銀行印として使用する印鑑
  • 代表者の身分証明書

その他、事業内容が分かる会社案内資料もあると良いと思います。店舗の窓口にて、必ずと言ってもよいくらいに事業内容の詳細を確認されます。

事前に、銀行口座開設を希望する銀行のHPやTELまたは直接店舗へ法人口座開設の手続きに必要なモノの確認をした方が良いと思います。

当然ながら、反社会的な事業内容などの場合には、口座開設は不可になります。また、銀行口座開設の諸手続きから実際に審査通過口座開設になるまでは銀行によって違いますが、3日~2週間程度となっています。

また、法人口座開設については、「法人口座開設する際に知らなきゃ損する5つのこと」で詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。

2-3-1.法人口座開設しておいた方が良い銀行と使い分け

事業内容や規模などにもよりますが、次の3つの銀行が良いと思います。

  • 都市銀行
  • 地方銀行もしくは信用金庫
  • ネットバンキング

都市銀行は、全国に店舗があることから全国にお客さんができるとか中堅以上の企業と取引することが考えられる場合に備えて。

また、取引先が振り込む振込先銀行としても、都市銀行の場合の方が信用的な面でも効果が望めるからです。

地方銀行もしくは信用金庫は、融資を受ける可能性が出てくることに備えて口座を開設しておくことをおススメします。

ネットバンキングは、店舗に出向かずに振込や決済ができるという利便性があること、時間的、コスト的な面を考慮しても優れています。

例えば、以下のような具合に使い分けをしておくとお金の管理が便利です。都市銀行は、入金専用、地方銀行(信用金庫)は、決済専用でネットバンキングは、振込専用として利用する。

2-4.役所関係への手続き

起業すると、税務署、社会保険事務所、労働基準監督署などへ書類や手続きの義務がありますので、その辺りの手続きについて紹介していきたいと思います。

また、これらの諸手続きは自分でもできますが、面倒なことが多く時間を要しますので専門の人(税理士)に丸投げするのもアリです。ちなみに私は、全て顧問税理士に依頼して対応しています。

2-4-1.法人の場合の手続き

法人の場合の手続きは、大きく以下の3つがあります。

  • 税金関係の手続き
  • 社会保険関係の手続き
  • 労働保険関係の手続き

それぞれの各機関へ書類の提出や手続きが必要になります。

詳しくは、各機関のHPにて。
「国税庁のHP新設法人の届出書類」
「健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書一覧」
「厚生労働省のHP「労働保険の成立手続」

2-4-2.個人事業の場合の手続き

個人の場合の手続きは、大きく以下の3つがあります。

  • 税金関係の手続き
  • 社会保険関係の手続き
  • 労働保険関係の手続き

法人の場合と比べ、若干各機関へ書類の提出や手続きが異なりますが必要手続きの多くは同じです。

詳しくは、各機関のHPにて。
「国税庁のHP新たに事業を始めたときの届出など」
「健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書一覧」
「厚生労働省のHP「労働保険の成立手続」

3.起業準備期間と準備中の注意点

起業するまでの準備期間がどのくらいの期間が多いのか、また、起業準備期間中ならではの注意しなければならないことについて紹介していきたいと思います。

3-1.起業準備期間

開業前までに掛かった期間を2つの期間から見るデータ(※)があります。

「検討期間」
漠然と起業を考え始めてから、具体的な準備を始めるまでの期間は、男性の平均:30.4ヶ月、女性の平均:23.5ヶ月という数値があります。

「準備期間」
具体的な準備を始めてから事業を開始するまでの期間(準備期間)は、男性の平均:8.3ヶ月、女性の平均:7.9ヶ月という数値があります。

検討期間と準備期間を合計すると、男性の平均:38.7ヶ月で女性の平均:31.4ヶ月となり、約3年前後の期間になっていることが分かります。

(※)2013年度新規開業実態調査(特別調査)女性起業家の開業(日本政策金融公庫調べ)

3-2.起業準備費用とお金

起業準備費用はいくら必要なのか、また起業準備期間中にお金の面で注意しなければならない点があるので、そのことについて紹介していきたいと思います。

3-2-1.起業準備費用の目安はいくらか

事業内容や規模などまた、どこまでを起業準備費用として考えるのかによっても、金額や項目が違うと思います。

ちなみに私は、これまでに2度起業経験がありますが、起業準備費用として掛かった費用は、オフィス関連の契約も入れると50~100万円前後でした。

起業する前に掛かる項目としては、次に挙げるようなものがあると思います。

  • パソコン
  • オフィス契約の関連費用
  • 備品
  • 打ち合わせ費用(お茶代、飲食費)
  • 起業関係の書籍
  • 旅費交通費
  • 会社設立費用

どのくらいの費用がかかるのかについては、起業準備していく際に、概算でも良いので見積りを出しておいた方が良いと思います。

3-2-2.起業準備中に使ったお金は経費になるのか

起業準備期間中に使用したお金は、起業後に経費計上が可能です。

基本的には、起業準備期間においての出費は、起業後に「開業費」という勘定科目で経理処理されます。

ただし、開業費として経理処理されないのは、固定資産に該当するモノです。
(例:10万円以上するパソコンなど)

また、この起業準備期間の定義ですが、起業する前から最大でも1年前までに遡る日に一般的には考えられています。

先程も挙げましたが、次のものが開業費として認められます。

  • パソコン
  • オフィス契約の関連費用
  • 備品
  • 打ち合わせ費用(お茶代、飲食費)
  • 起業関係の書籍
  • 旅費交通費
  • 会社設立費用

注意点として、開業費として認められない項目は社員の人件費、電気、ガス水道などの支払利子、社員の給与、電気・ガス・水道料金といった経常的(定期的に見込まれる)な費用は開業費としては、認められていません。

それらの経常的な費用は、開業後の年度内にて各項目毎に経費計上されることになります。当然ながら、起業するにあたって利用した項目でなければなりません。

ですから、あとあとの経理処理の際に問題にならない為にもレシートまたは領収書の裏面にでも、誰とどういう目的で利用したお金なのかを記載しておくことをおススメします。

なお開業費は、償却期間(経費計上を分割可能な期間)は5年間となっています。つまり、償却期間を5年間で均等に償却するか、任意の期間で償却していくことも選択可能です。

3-2-3.クレジットカードや携帯の支払い、税金の滞納

お金の面で、起業期間中に特に気を付けておきたい点があります。

それは、日常生活においての支払いの延滞です。税金の滞納は勿論、要注意ですが、特にクレジットカードや携帯(スマホ※割賦支払い)の支払いです。

これらの支払いを延滞している場合には、個人の信用情報に要注意先として登録される可能性があります。

割賦販売法、貸金業法などの信用情報機関(個人信用情報)において要注意先となれば、起業する際の資金調達において、マイナスの評価点になるのは間違いないからです。

そもそも起業しようとしていないに関わらず支払いの滞納は、よくないですが起業しようとしている人ならば、なおさらに注意しなければならない点です。

3-3.起業準備中は、子供を保育園に入園できるのか

一般的には、起業準備中の親が子供を保育園に預けることはできません。

基本的に保育園を利用する人は、勤め先から発行される就労証明書を保育園に提出します。その就労証明書を元に、就労時間と通勤時間の時間において、子供を預かるシステムです。

ですが、一般的には起業準備中というのは就労していると見なされていないため保育園の利用するのは難しいのです。

ただし、保育園の規定によっては、起業準備中であっても期間限定(例えば入園から1~3ヶ月間)で保育園を利用できる場合があります。利用を検討する保育園へ直接問い合わせをしてみる必要があります。

4.起業準備中の失業手当(失業保険)

起業準備中の失業手当(失業保険)がでるかのどうかについて、気になる人も多いかと思います。

そもそも失業手当(失業保険)というのは、勤め先を自らの都合で退職したもしくは、解雇や倒産により会社都合で職を失った際に、新たな仕事が見つかるまでの間、国から支払われる給付金です。

一方、起業準備中の人は「自営業者」に該当し、本来の失業手当(失業保険)の受給資格には該当していません。

ですが、起業準備中の人についても、失業手当(失業保険)の受給資格に該当する条件の見直しが行われました(2014年8月現在)。

つまり、起業準備中でも一定の条件を満たせば、失業手当(失業保険)を受け取れるということです。

~2014年7月22日、厚生労働省は「求職活動中に創業の準備・検討をする場合」を雇用保険の失業手当の給付対象にする旨の通達を出しました。政府は起業を準備している人にも雇用保険の失業手当を払う。

いまは準備段階の人は「自営業者」とみなして失業手当を支払う対象としないことが多いが、今後は原則として払うように運用を改める。最長1年間、前職の賃金の5~8割の失業手当を給付する。

サラリーマンが起業のために会社を辞めても、急に現金収入が途絶えないようにして、起業を後押しする。失業手当の給付は最長で1年間。会社を設立すると起業準備を終えたとみなして給付を打ち切る。~
引用:2014年7月24日 日本経済新聞朝刊

4-1.起業準備中に失業手当をもらえる条件と流れ

起業準備中の人=失業手当(失業保険)ではありませんので、誤解なきようにしてください。失業手当(失業保険)がもらえるかどうかのポイントは、就職する可能性や意思がある、もしくは、起業準備と就職活動を並行して行える状況かどうかです。

具体例を挙げるとすると、次のようなものです。

  • 事業許可の取得やオフィスの家賃交渉や契約をした段階
  • ⇒ 就職活動を並行して行える状況と判断されるので、失業手当(失業保険)はもらえます。

  • オフィスや店舗を借りて内装している場合
  • ⇒ 起業すると判断されるので、失業手当(失業保険)はもらえません。

また、当然ながら、いずれの状況でも起業することしか考えていない場合やハローワークで
必要な手続きを行わない場合は失業手当(失業保険)をもらえません。

起業準備中においても、失業手当(失業保険)をもうら流れというのは通常と変わりありません。
以下は、退職から失業保険をもらうまでの大まかな流れです。

  1. 退職(離職)、離職証明書(離職票)を前職の会社よりもらう
  2. ハローワークへ行き、諸手続きを行い受給資格の決定(手続き完了日=受給資格日)
  3. その後、7日間の待期期間(会社都合、自己都合共に)があります。

  4. 雇用保険受給者初回説明会(手続き後1~2週間後)
  5. 失業の認定
  6. 原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。
    指定された日に管轄のハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、
    「雇用保険受給資格者証」と共に提出する必要があります。

  7. 失業手当(失業保険)を受給

以後、再就職が決まるまでの間、所定給付日数(基本手当が支給される最高日数)を限度として、「4.失業の認定」、「5.失業手当(失業保険)を受給」を繰り返しながら仕事を探します。

なお、会社都合による退職の場合は、初回の失業の認定日が終われば、数日後には失業手当(失業保険)をもらえます。ですが、自己都合退職の人には、3ヶ月の給付制限があります。

つまり、最初にハローワークへ行った際に諸手続きを終え7日間の待期+3ヶ月後でなければ失業手当(失業保険)をもらえないということです。

詳しくは、「ハローワークインターネットサービス」にて
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html#setsumei

4-2.失業手当(失業保険)の不正受給になるケースと開業届のタイミング

起業準備中の人が、やってしまう可能性があるのは、次に挙げることです。

  • 実際に事業を開始しているにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記載せずに申請し失業手当(失業保険)をもらおうとする。
  • 会社の役員に就任(名義だけの場合も含む。)しているにもかかわらず、「失業認定申告書」 に記さず、偽りの申告を行った場合

その他、意図的に申請書類に虚偽の内容を記載して申請するのは、全て不正受給になります。

もし、そのような不正行為を行い見つかった場合には、その日以降の失業手当(失業保険)は支給されず、不正に受給した基本手当等の相当額(不正受給金額)の返還が命ぜられます。

また、それだけでは終わらず、返還命令があった不正受給金額以外に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付(いわゆる「3倍返し」)が命ぜられることとなります。

開業届のタイミングに関してですが、当然ながら個人事業、法人ともに開業届というのを税務署へ提出しなければなりません。

それぞれ、個人の開業届は原則として開業日から1ヶ月以内、法人設立届出書は会社設立から2ヶ月以内に、いずれも管轄の税務署へ提出します。

つまり、この開業届に記載した開業日と失業手当(失業保険)を受給していた時期がもし、かぶっていた場合は、不正受給に該当することになります。

そういうことがないように(意図的に不正受給をもらおうとしなければ問題ありませんが)、十分に注意すべきだと思います。

5.まとめ

起業準備次第によって、起業成功するかどうかが決まると言っても過言ではありません。

起業準備に際して、やるべきことは多く感じられるかもしれませんが、その準備作業自体が既に起業が始まっていると考えるべきだと思います。起業準備も大変かもしれませんが、実際に起業するともっと大変になります。

起業準備が原因により、起業が失敗することの無いよう是非、ここに書いてある通りに、起業準備ですべきことを理解して実践していってほしいと思います。

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