
あなたは、起業成功について、以下のようなことで悩んでいないでしょうか?
- 起業して成功する確率を知りたい
- 起業して成功する方法や条件を知りたい
- 起業して成功する人は、どんな特徴があるのか
私は、23歳で起業し、一時は、年商3億円以上になり上場を目指す規模までいきました。
しかしながら、10年後に倒産を経験。
それから、約2年間、上場会社2社の社長室(東証一部:年商5,000億円超など)でビジネスキャリアを積みました。
そして、再度起業し3年で年商1億円を突破、営業利益と役員報酬の合計が1億円を超すと共に5年以上黒字経営を実現しています。
そんな私だからこそ、起業成功するにはどうしたらよいのか、起業成功する人にあって、失敗する人にはないモノが何なのかが具体的に分かります。
ココでは、私の経験および知人で起業成功している人たちの情報、本質的なことから統計的な数値を分析した内容を含め紹介していきたいと思います。
きっと、この本文を読み終えるころには、あなたが起業して失敗する確率が減り成功の確率が上がることになるでしょう。
少なくとも、起業失敗に対する不安が解消され、起業成功するために何が必要で、どうすれば良いのかが分かるのは、間違いありません。
目次
1.起業成功の定義を決める
起業をする前に、何をもってして、起業成功とするのかを決めておくことをおススメします。
数値的なモノ、数値以外のモノ、何でも良いと思います。
勿論、人それぞれ起業成功の定義というのは、違います。
だからこそ、起業するあなた自身が思う、起業成功の定義を明確に決めておくべきです。
1-1.起業成功の定義を決めた方が良い理由
成功の定義を決めたほうが良いのは起業したら、ある一定の満足感も必要だからです。
その満足感がモチベーションの維持やアップに繋がります。
それを与えてくれるのは、自分自身が定義する起業成功の定義なわけです。
「そんなの起業の成功じゃないよ・・・」と仮に他人が言おうが何しようが、関係ないのです。
起業成功の定義は、唯一無二あなただけのものですから。
ちなみに、私の起業成功の定義は、金銭的な面で言うと、次の2つです。
- 会社の利益が、1,000万円以上(最低)
- 社長の給料(役員報酬)が、年収:1,200万円以上(最低)
起業して、このくらいの数値はいかないと金銭的な余裕は感じないです。
精神的な面で言うと、次の条件です。
「好きな時に、好きな人と好きなことを好きなだけできる状況になる」
仮に、金銭手的な面を満たしていても、嫌いな仕事だったり、取引先だったり、時間の自由がきかなかったりしない状況だと、起業した意味ってないと思うからです。
だから、金銭的な面と精神的な面の両方を満たして、私は、成功だと自分の中で定義しています。
また、金銭的な面と精神的な面の両方を満たすことが、本当の意味での幸福を感じることが出来るのだと確信しています。
私が提示した、金銭的な面と精神的な面の2軸において、考えていくのも良いと思います。
また、シンプルに言うと、こう言う条件を満たしたら、あなた自身の心の底から「あぁ~起業して良かった、成功したんだ」と思えるものであれば、何でも良いと思います。
是非、あなた自身の起業成功の定義を考え、決めてください。
1-2.起業成功の目安となる数値
起業の規模やレベル、業種業態によって多少の差はあると思います。
基本的には、以下2つの条件を満たしていれば金銭的な面においては世間で言う、起業して成功したと言っても良いと思います。
自分の社長としての給料の数値として、年収:1,200~1,800万円
所得税や社会保険料などを差し引くと、手取りが約950~1,200万円程度です。
サラリーマンの年収の3倍が最低ラインです。
サラリーマンに比べて、仕事の質量、プレッシャーなど比べものにならないくらいですから・・・。
この位の報酬がないと、成功している実感はありません。
私の本音の感覚からしたら、年収:3,000万円以上です。
上記の数値プラス会社の年間の利益の数値として800~1,500万円
法人税など差し引くと手残りが約450~950万円程度です。
この位の利益がないと、不測の事態や継続していく上においても必要な数値です。
また、少々厳しい事言えば、起業して5年以内にこの数値を達成できないと金銭的な成功をすることは、ほぼ不可能かと思います。
多分、その現状維持のまま金銭的には推移します。
まとめると、社長の報酬と会社の利益の合計が、最低:2,000万円以上になることが目安です。
それでも、手残りが税金など引かれれば1,300万円程度ですから・・・。
自分の人生賭けてやる起業なわけですから、1年がんばって、そのくらいの数値は最低いかないとダメだと思います。
2.起業成功に最低限必要なスキル
起業成功とは、という定義は、人それぞれ違うので、ここでは、簡単に定義づけすると
起業成功
=あなたの起業した目標が叶う
=黒字で運営できている(赤字にならない)
=現金残高が増えている
としておきます。
当然ながら、起業する以上誰しも成功を考えて、起業するわけですけども、全員がそうはなっていないのが現状です。
そこで、ここでは私の経験および私の周りの経営者で、成功している人が持ち合わせている4つのスキルを話していきます。
この4つのスキルがあれば、ハッキリ言って成功します。
逆に1つでも欠ければ、その分だけ成功から遠ざかります。
では早速、4つのスキルについて詳しく話していきます。
2-1.営業力(売れる商品を見つける力、商品を売る力)
営業力です。
一般的には、商品を売る力(売上を上げる力)と言われていますよね。
ただ、起業成功のためには営業力には、2つの側面があることを認識してください。
2-1-1.売れる商品を見つける力
1つの側面は、売れる商品を見つける力 です。
ベストは、自社で売れる商品を開発できることですが、技術系の起業ではない限り、何がしかの商品を仕入れて来る必要があります(ここでは、それが前提で進めます)。
どれだけ、売る力があったとしても、そもそも売れる商品でなければ、売れないですから・・・。
2-1-2.商品を売る力
もう1つの側面は、商品を売る力 です。
これは、そのままの意味です。
営業力があれば、売上が上がる=お金が入ってくる、ということですから、これが出来続ければ、大丈夫なわけです。
2-2.コミュニケーション力(好感を持たれ信用され味方になってもらえる)
コミュニケーション力です。
コミュニケーション力は、ある面、営業力にも関係する部分もあります。
起業で必要とされるコミュニケーション力は、全方向的な意味でのコミュニケーション力です。
起業の規模感にもよりますが、特に、起業当初であれば、世間からするとあなた自身が何者なのか?が分からないというか、率直に言って、信用がないわけです。
そんな状況の中で、様々な関係者とコミュニケーションをとっていく必要があります。
お客様、仕入れ先、協力会社、銀行、社員、その他。
もう少し簡単に言うと、世間から、あなた自身が好感を持たれ、信用され、味方になっていってもらえるような言動をしていかなければならないわけです。
それが、コミュニケーション力です。
2-3.資金調達力
資金調達力です。
起業する規模にもよりますが、ほとんどのケースにおいて、起業当初の資金が有り余るくらい潤沢にあるというパターンはほぼないです。
物理的には、仮に1,000万円あったとしても、心理的には、潤沢だと思えないケースもあるでしょう。
ですから、資金調達をしていくことになるわけですが、考えられるパターンとして、以下。
- そもそもの自己資金(貯金を計画的にしておく)
- 公的機関からの借り入れ
- 銀行からの借り入れ
- 親、親戚、知人からの借り入れ又は出資
- 第三者機関からの出資
などありますが、要は、お金を用意できる力があるかどうかです。
資金調達力がなければ、起業自体をすることが出来ない場合もありますから。
また、資金調達については「8つの資金調達先と資金調達を成功させるための必読記事」で各資金調達先の情報や資金調達を成功させるための具体的な方法について、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
2-4.管理力(お金の流れを管理する力)
管理力です。
主にお金の面の管理です。
いくら営業力があり売り上げが上がっても、資金調達力があっても、そのお金をしっかりと管理する力がなければ、それこそザルで水を救うようなものです。
会社経営というのは、お金を増やしていかなければならないわけですから、売上が上がっても資金調達が出来たとしても、油断してはならないわけです。
いつ売上が入り、いつ経費が出ていき、月末にはいくらお金が残っているのか、それを常に把握する必要があります。
どれだけ、営業力、コミュニケーション力、資金調達力があったとしても、この管理力がなければ、意味がありません。
これも、起業を成功させていく上で重要な力です。
3.起業で成功するのに必要な最も重要な3つの条件
誰しも気になるのが、起業で成功するには結局、どうすれば良いのか。
どのような条件が揃えば起業が成功するのか。
ある意味、挙げればキリがないですが、この最も重要な3つがあれば起業は成功します。
それは、以下の3つです。
- 良い商品
- 良いお客さん
- 良い仕組み
それらの条件を揃えていくのが、起業する、あなたというわけ。
「あれっ、よく言われる人・モノ・カネ・情報はどうなの?」という疑問を持つかもしれないですね。
確かに、それらも大切です。
しかしながら、人・モノ・カネ・情報が必要なのは、良い商品、良いお客さん、良い仕組みを得るために必要なのであって、そのものが必要というわけではないのです。
つまり、人・モノ・カネ・情報があったとしても、良い商品、良いお客さん、良い仕組みが揃わなければ意味がなく起業が成功することはあり得ないのです。
例を挙げるとするならば、次のようなビジネスです。
AKBで有名な秋元康がプロデュース、サイバーエージェントの藤田晋
エイベックス松浦勝人、幻冬舎の見城徹
美魔女という言葉を流行らせた、雑誌STORY編集者の山本由樹。
豪華メンバーが「アラサー独身女性」というニッチターゲットを対象とした雑誌「DRESS」を発刊。
「ドリームチームが手掛ける女性雑誌、成功間違いなし!」と言われスタートしたのが2013年。
その後たったの1~2年ほどで3億円もの赤字をだし、他社へ売却という事態になりました。
まさに、人・モノ・カネ・情報があったとしても事業は大失敗になるという典型的なモノです。
3-1.良い商品
良い商品というは、悪い商品の反対というよりは、売れる商品とも言えます。
売れる商品とは、人から必要とされている商品です。
どれだけ、良い商品だと自分自身で思ったとしても、人から必要とされていなければ、売れませんから。
また、その商品はあなた自身でその商品を創ることが出来ればベストですが、創れなければ、どこかから見つけてくる、仕入れてくる方法でもOKです。
3-2.良いお客さん
お客さんに良いも悪いも無いという人もいますが、実は、あります。
良いお客さんというのは、何でもかんでも商品を購入してくれるお客さんではなく、あなたの会社の考え(ポリシーや理念)に共感してくれて、値下げを要求してこないお客さんです。
あなたの会社の考え(ポリシーや理念)に共感してくれないと長いお付き合いは出来ないですし、値下げを受けると、コチラの利益が減るだけです。
そういうお客さんが多くいるというのは、事業の運営上、好ましくありません。
如何に多くの良いお客さんとお付き合いが出来るかが事業成功のポイントです。
3-3.良い仕組み
良い仕組みというのは、良い商品を良いお客さんに継続して売れる仕組みを創るという事です。
良い商品を見つける、紹介を受けるためのノウハウ。
良いお客さんを見つける、紹介を受けるノウハウ。
最初から、この仕組みを創ることを狙って、事業運営をしていくことが重要になってきます。
3-4.3つの条件を満たしている会社の具体例
基本的に、成功している会社というのは、有名無名、規模問わずに良い商品、良いお客さん、良い仕組みの3つの条件を持ち合わせ、事業を展開しています。
分かりやすく、有名な会社の事例を紹介していきます。
3-4-1.アップル
良い商品:mac、ipod、iphone、ipadなど
良いお客さん:アップルのデザインやコンセプトに共感
創業者でもあるスティーブ・ジョブズのファンも多い
良い仕組み:新商品のリリース、店舗運営、ファン化していく仕組みがある
3-4-2.メルセデスベンツ
良い商品:ベンツ(高級外車)
良いお客さん:高級車は、ベンツだと認識しているお客さん
良い仕組み:販売ディーラーが世界的にネットワーク化されている
3-4-3.コカコーラ
良い商品:コーラ(飲料物)
良いお客さん:炭酸飲料は、コーラだと認識しているお客さん
良い仕組み:圧倒的な販売網(自販機、コンビニ、レストラン他)
3-4-4.トヨタ
良い商品:国産車
良いお客さん:トヨタ車は、品質が高いと認識しているお客さん
良い仕組み:トヨタ生産方式とも言われる生産体制
販売ディーラーが世界的にネットワーク化されている
3-4-5.ユニクロ
良い商品:低価格高品質な服
良いお客さん:低価格高品質な服を好むお客さん
良い仕組み:高品質な服を低価格で大量生産できる体制
圧倒的な販売網(路面店、ショッピングモール、駅ナカ他)
いずれの企業も、人・モノ・カネ・情報を活かし、良い商品・良いお客さん・良い仕組があることがわかります。
4.起業成功のために知るべきお金の使い方
起業して成功していくには、事業を運営して利益を上げお金を増やしていくということです。
それには、効率の良いお金の使い方がカギを握っています。
お金がたくさんあろうが、なかろうが、如何に手元にあるお金を活用していきお金を増やしていくのかが起業家の手腕とも言えます。
例えば、手元資金が100万円あるとします。
この100万円を活用して10万円を増やすのか、100万円を増やすのかでは、10倍の差があります。
その差と言うのは、お金の使い方そのものに大きな影響があるわけです。
お金には次の3つの使い方があります。
- 浪費
- 消費
- 投資
それぞれ、話していきます。
4-1.浪費
浪費、これが最もやってはいけないお金の使い方です。
浪費というのは、後にも先にもお金を生むもしくは、お金を生む可能性が全くないものであり、事業に必要ではない失う一方の状態のことです。
これでは、現金がいくらあっても足りません。
浪費というのは、分かっちゃいるけど止められない・・・。
そういう側面があるので、余程意識を高めて注意しなければなりません。
起業して成功してお金が増えれば、多少の浪費も活力になったりするので、その際は、適度には良いと思います。
むしろ、浪費だと認識した上で、お金を使い、それでも事業においては何らのマイナスの影響がないという状況になるのが成功のバロメーターとも言えますから。
4-2.消費
消費というのは、事業運営上、必ず必要なものに対してお金を使うことです。
浪費と消費の線引きというのは、事業運営上において、絶対に必要かどうかという視点で見極めるべきです。
オフィスがどうしても必要な場合であれば、そのオフィスの賃料は、消費ですが、必要のないオフィスまたは、不必要なスペースの広さに対して
賃料を払うのは浪費なわけです。
本当は、浪費なのに消費だと思ってお金を使っている場合もあるので見直す必要があると思います。
4-3.投資
最も大事なのが、この“投資”というお金の使い方です。
この投資という考え方を理解して、実行することが出来れば、起業して成功する可能性は一気に高まります。
投資というのは、一時的にはお金が先に出ることもありますが、後々になって最初に払ったお金以上のお金が返ってくるお金の使い方です。
いわゆる、“先行投資”とも呼んだりしますね。
例えば、今まで人が作業していたのを、機械化することにより大幅に作業効率が上がる。
そのことにより、生産性がアップし売上&利益が上がっていくような機械に投資をする。
勿論、投資には、投資したお金以上にリターンがないという場合のリスクも伴います。
ですから、投資する際にいくらお金を掛けたら、どのくらいの売上&利益アップや経費の削減が見込めるのかなどを徹底的に考えたうえで実行する事が大切です。
勿論、投資以上にリターンがない場合には、損することにもなりますが、長い時間軸で見た場合にはそれ自体の経験が、あなた自身の経験値を上げ、投資のセンスが向上します。
その経験が次の投資に必ず役立ち投資成功の確率が上がるわけです。
起業して成功している人は
浪 費 < 消 費 < 投 資
という具合に、重要な順番を常に意識してお金を使うことで、成功の確率を上げています。
逆に言うと、起業が成功していない人は
浪 費 > 消 費 > 投 資
という具合に、なっているわけです。
お金使う際に、いくらお金を支払ったらいくらリターンがあるのか、見込めるのかを意識して行動するだけで、起業成功の確率が大きく変わります。
5.起業成功している人が実践している働き方
私が知る限り、起業成功している人には、ある2つの働き方(ワーク)があります。
と同時に、成功していないほどこの2つの働き方(ワーク)には該当していません。
それは、次のワークをしていることです。
- ハードワーク ⇒ 長時間労働、休みなく働く
- スマートワーク ⇒ 賢く無駄なく、効果的に働く
基本的には、どちらかだけではなく、両方を兼ね備えています。
5-1.ハードワーク
朝早くから夜遅くまで平日は勿論、土日も平日通り普通に働いている。
ゴールデンウイークや年末年始なども、普通に働いている。
長時間労働を基本としています。
いつ休んでいるの? と思うくらいに
起業して成功している人は、よく働いています。
起業して成功する前も、成功した後も、とにかく、本当によく働いています。
量と質で言うと、圧倒的な量をこなしているということです。
よく、成功者ほど失敗しているという話を聞きますが、それっていうのは、よく働いているからです。
何度も何度もチャレンジしている。
チャレンジが多いと成功するチャンスも多くなっていくことを意味しています。
もうこれは、確率論の問題にもなってくるかもしれません。
仮に、同じ能力の人が、同じことをやったとしたら・・・
Aさん、10回チャレンジ
Bさん、100回チャレンジ
成功の数は、確実に、Bさんの方が成功の数は多くなります。
チャレンジの数だけ、Bさんの方が失敗も多くなるでしょうけど。
ちなみに、これは、私が言うまでもなく、起業して成功している多くの成功者が「成功したいのなら、失敗の数を増やすこと」 だと、言っています。
5-2.スマートワーク
賢く無駄なく、効果的に働いています。
誰しも、スマートワークだけ出来ることを望むと思いますが、ほとんどのケースにおいては、ハードワークの経験があるからスマートワークが出来るようになっているわけです。
ハードワークをせずに、スマートワークを最初から望むからおかしな話になるわけです。
ハードワークをこなし、実践を通しての様々な経験値が上がるから、無駄な意思決定や行動が少なくなり、結果として時間の節約になり、外から見ると、スマートワークに見えているだけです。
もしくは、徹底的に事前にシミュレーションを行い、最も効果が高く成果が望める行動を無駄なくしているわけです。
でも、それも結局ハードワークがベースにあります。
ハードワーク、スマートワーク、間違いなく、この2つのワークを起業で成功している人が実践しています。
6.起業して成功する確率
起業して成功する確率というのは、起業を考えている人であれば、多くの人が気になるかもしれません。
逆説的に言うと、失敗する確率を知りたいとのだと思います。
ですが、世の中に起業して成功する確率というのは存在していません。
実際には、起業成功についての様々なデータがあるだけです。
なぜなら、誰が起業してどのような事業展開をするのかによって、成功の確率は変わるからです。
ただ、私が見てきた多くの起業が失敗しているパターンから見て、強いて言うのならば、1年目で軌道に乗らずに、起業資金が底を尽き始めるのが80%程度です。
そして、起業して3年以内には倒産もしくは、実質的には倒産状態です。
ほとんどのケースでは、1年も2年も資金に余裕がある状態で起業している人がいないのが理由です。
結局、10年以上継続するのは、5%未満であるとみています。
また、私は起業成功の確率ほど、あてにならないモノはないと思っています。
その理由は次に挙げる理由からです。
- 起業成功の定義があいまいであり、
起業の成功確率というのは、統計データでは推し量れない - 仮に起業成功確率があったとしても、それは
起業するあなたとは、因果関係がない、つまり役立たない数値 - 起業の成功確率や失敗に関してのデータが様々あり、
それらのデータを見比べても、どれも、正しい数値とは思えないから
つまり、人によっては、収入の金額が成功の定義だとしている人もいれば、やりがいがあることだとしている人もいるし、またはその両方を満たしていなければ、成功ではないと定義している人もいるから。
それでも参考になるいくつかのデータがありますので、それを紹介しながら、成功の確率を推測していきたいと思います。
6-1.中小企業庁の「中小企業白書」のデータ
中小企業庁(国)が出しているこのデータです。
※中小企業庁の発行する『中小企業白書』。
~10年後には3割、20年後には約5割が倒産~
毎年中小企業を取り巻く状況などをまとめている『中小企業白書』では、企業の生存率をまとめています(2011年版中小企業白書 第3-1-11図より)。
調査によると5年後に生存している企業の割合は82%。
5年後には18%の企業が倒産などにより撤退しています。
そして10年後の生存率は70%、15年後には61%、20年後には52%となっています。
新規企業が絶えず設立されていっても、20年後には約半数が撤退しているというのが現実です。
このデータを見て、どう思いますか?
数字通りに見ると、5年後に82%生存しているということは、かなりの確率で、生き残れると思いますか?
もし、そうであるならば、起業の現実を全く知らない人だと思います。
国の機関が出している数値というのは、正式に廃業届を出している数値であり、実態とは大きくかけ離れていると言っても間違いありません。
また、データの(注)1にもあるように、会社の創設時からデータベースに企業情報が掲載されている企業のみで集計されているという点です。
しかも、この資料は、帝国データバンク(国内最大手の信用調査会社)のデータベースに掲載されている会社であり、その中身は優良企業14万社(2015年3月現在)という状況です。
これが実態を反映しているとは言えないと思います。
だから、民間の調査会社が出している数値と国が出している数値には大きな隔たりがあるのだと思います。
実質的には、赤字が続く倒産状態でも続けている、無理な借り入れなどをして続けてしまっているのが現状だと思います。
多くのケースにおいて、そもそも起業し成功していく力も見込みもない人達が起業してしまっているからです。
それにより、必要以上に失敗する確率が高くなっているからです。
なので、そういうあまり参考にもならない数値に惑わされないでください。
6-2.国税庁の「法人税等の申告(課税)事績の概要」のデータ
日本の全法人が黒字申告している企業の割合のデータです。
平成21年の23.4%を過去最低としても、平成24年の24.8%と、概ね黒字申告している企業の割合は30%未満となっています。
中には、意図的に赤字決算をしている会社もあるだろうが、例えば、社長の役員報酬を大きくとるなどして、会社ではなく社長の懐にお金を多くする場合などして。
それにしても、あまりにも黒字の企業が少ないですよね。
日本の全法人企業数というのは、約240万社と言われている中で黒字化している企業数が30%未満ですから・・・。
勿論、これは、起業したての会社や数十年と続く企業含め全企業の数値なわけですが、企業経営のプロの経営者が経営しても黒字運営していくというのは、そもそも難しいということです。
ましてや、起業間もない人などは、言わば経営素人なわけです。
仮にどれほど、前職でビジネスの実績があろうがなかろうが、起業して会社経営していく上においては、0からのスタートですから。
そんな人が、会社を黒字運営していくということは、どれほど大変であり難易度が高いかということを知るべきです。
6-3.「日本の起業環境及び潜在的起業家に関する調査」のデータ
これは、中小企業庁が三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)へ委託して調査したデータになります。
この数値は、起業して3年経過が基本の数値となっています。
上記の図をまとめたのは、以下の表になります。
起業して、40万円以下の人が64.8%もいるという事実をどうみるかは、人によって違うでしょうが、私から見るとこれはもう、失敗でしょう。
起業する前に比べて収入が低いということは、その時点で、起業は失敗だと考えるべきです。
勿論、起業は収入アップだけではないという人もいるでしょう。
ですが、収入が多くないと、事業の継続率に影響があると共に何らかのアクシデントがあったら、即終了となります。
ましてや、リスクをとって起業したわけですから、それに見合う収入はないと、起業した意味がないです。
少なくとも、起業したら前職の最低2倍以上はないと、起業した意味はないと見るべきです。
私の感覚値から言うと、起業したら前職の3~5倍を稼いで金銭的に成功したと言えるのだと感じています。
※ただし、社長としての給料+会社の利益 を足した金額でも良いと思います。
(税金の関係上、会社に多く残した方が、よりキャッシュが多く残る場合があるため)。
これら紹介した3つのデータおよび私の主観的な数値から、起業成功の確率は何パーセントなのか? どう感じるのか?は人によってそれぞれ違うと思います。
ですが、冒頭にも話したように、世の中に起業して成功する確率というのは存在していません。
実際には、起業成功についての様々なデータがあるだけです。
どうぞ、起業成功の確率について、過剰に意識せずに、成功確率を気にするのではなく、起業の失敗の原因やリスクを回避するため、成功するための準備をしっかりとやるべきだと思います。
また、起業失敗に関しては、「起業失敗の原因と対策がハッキリと分かる!6つの必読記事」で起業失敗の原因と失敗しないための対策などについて詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
7.起業成功に〇〇が関係あるのか必要なのかを考えてみる
起業成功には、年齢、成功確率、学歴、人脈、MBA、自己啓発などが関係ある、必要だとまことしやかに言われていますが、それらについて、私の独自の視点で話していきます。
7-1.起業成功に年齢は関係あるのか
年齢が高いことが有利であり、起業の成功の確率が高いということはあり得ません。
つまり、起業成功に年齢は関係ありません。
確かに、一般的には、20代より30代、30代より40代の方がビジネス経験、人生経験が豊富だと思われています。
ですが、それは、全てにおいて真実ではなく錯覚です。
あくまで、回数や時間が長いだけであり、必ずしも、年上の人の方が経験値が高いわけではありません。
問題は、ビジネス経験、人生経験においての密度です。
どれだけ短い時間の中で多くの事を体験し学んだのか?
それには、単純に時間の長さや年齢は、関係がないのです。
例えば、20代で生きるか死ぬかくらいのビジネス経験がある人と、のほほ~ん と、サラリーマン生活を10年以上過ごしてきた30代では、比べようもないです。
また、20代において、死ぬ気で起業して成功しようと準備して、能力も才能もある若者に勝てない30代、40代以上の人なんて、世の中に数多くいます。
これは、起業したら分かりますが、起業して成功するか失敗するかは、年齢ではなく、実力が全てを決するということです。
もう一度、言いますが、20代より30代、30代より40代が起業して成功する確率が高いわけではありません。
7-2.起業成功に成功確率は関係あるのか
正確には、起業するあなたの成功確率が、一般的な統計データと関係があるのか?ということだと思いますが、関係ありません。
それには、いくつかの理由があります。
- 起業成功の定義があいまいであり、起業の成功確率というのは、統計データでは推し量れない
- 仮に起業成功確率があったとしても、それは起業するあなたとは、因果関係がない、つまり役立たない数値
モット言うと、起業は、成功するか失敗するかのどちらかであり
0%~100%ということではなく、
0% or 100% ということなのです。
起業して成功する力がない人が何度やっても、起業が成功することはありません。
つまり、成功確率:0% です。
逆に言うと、起業して成功する力がある人が何度やっても、起業は成功します。
つまり、成功確率:100% です。
現に私は、2度起業して、2度共に世間から見ると、成功したと言えます。
また、私の知人の成功している起業家も、同様に複数回起業経験がある人もいますが、同様に成功しています。
あえて言うのであれば、あなたが起業して成功する確率は、あなた自身の実力次第ということであり、統計データの確率とは関係がないのです。
これは、紛れもない事実です。
7-2-1.起業して成功する人は成功確率なんて気にしていない
これは、私自身もそうですし、私が知っている成功している起業家も皆そうです。
起業して成功する確率、失敗する確率について、話題になったことすらないのです。
他人は他人、自分は自分であり、成功確率なんて聞いたとしても、何の役にも立たないことを知っているからです。
なぜなら、実際に起業したら分かりますが、起業して事業を行っていくと不確定要素が多すぎて、成功確率云々が通用する世界ではないのです。
7-3.起業成功に学歴は関係あるのか
真っ先に思い浮かぶのは、起業の成功と学歴との関係です。
関係があると思う部分と、ないと思う部分があります。
7-3-1.学歴が関係があると思う部分
大きく3つあると思います。
まず1つ目。
学歴がある人は、それなりの競争を勝ち抜き、結果を出してきた経験というのが一番大きいのではないかと思います。
大学受験合格を目標とし、実際にそれを達成した成功体験です。
やり切って、成果を上げるというのは、強い自信に繋がってくるからです。
2つ目。
根本的に頭が良い。
頭が良いという定義は、ここでは考え抜く力という意味で使います。
受験勉強は、特に国公立の場合科目数が多くあります。
国語、社会(地理、歴史、世界史、公民)、
理科(Ⅰ、Ⅱ)、数学(Ⅰ、Ⅱ)、外国語 などと・・・。
これらをクリアしていくには、考える力は勿論、考え抜き答えを導いていくという力が必要なわけです。
この点、起業においても成功の要素としては、あると思います。
3つ目。
集中力が高い。
受験勉強は、1年以上もしくは人によっては、3年、5年以上の計画の上で取り組んでいる人もいます。
その高い集中力、持続力と言うのは無い人に比べ、起業においても成功の要素としては、あると思います。
7-3-2.学歴が関係がないと思う部分
こちらも、大きく3つあると思います。
まず1つ目。
起業の成功には、学歴があるから成功できる保証はないから、東大出ているから、成功できるということではない。
仮に、某大手企業が東大出ていないと採用しないというのなら、就職においては、学歴は大いに関係があります。
ですが、起業の成功には、本人の努力と実力次第で掴み取れるものだから、そこに学歴の有無はないからです。
2つ目。
学歴がある人=勉強ができる人であり、必ずしも、起業の成功の要素を兼ね備えていない。
つまり、起業の成功においては、受験勉強のような問題は出されないからです。
もの考え方や考える方法などは、学歴がある人の方が経験値やテクニックとしては、多少は有利かもしれません。
ですが、起業の成功に必要なのは、受験勉強の問題をクリアすることとは違います。
起業の成功には、起業の成功するための解を解決すれば良いわけです。
3つ目。
世の中の成功者お金持ちが、必ずしも学歴がある人ではない。
学歴が高い人は、政治家や官僚、大手企業に勤めているケースが多いです。
むしろ、学歴がないからこそ、それをバネに、ハングリー精神として、本質的な勉強やスキルを身につけて起業の成功に達している人が多いです。
いずれにしても、学歴があろうがなかろうが、起業すれば、それが有利にもなる事もあるし、逆に不利にはたらく事もあるかもしれません。
問題は、起業の成功の解を見つけて、その解を作ることが大切なわけです。
起業の成功においては、それ以上でも以下でもない結果が求められます。
学歴があるから成功した、ないから失敗した・・・ということはありません。
単に、起業の成功の解を見つけられなかった、もしくは、その解を作ることが出来なかったということです。
7-4.起業成功に人脈は必要なのか
必ずしも、必要がないというのが答えだと思います。
なぜなら、起業して最初から人脈がある人なんていないですし、そもそも起業して成功していく人には人脈があるから、どうかなんて、気にしていません。
人脈があろうが、なかろうが成功する人は成功するし、失敗する人は失敗します。
「あぁ、俺も人脈があったらなぁ・・・」という人は、仮に人脈があったとしても成功する事はないでしょう。
そもそも、人脈とは、あなたにも相手にもメリットがある関係を言うわけです。
ですから、あなた自身が周りの人達から利用される目的で、言い寄って来るくらいに魅力ある、そんな人になれば、成功に近づくし、成功していきます。
また、人脈作りに関しては、「人脈作りの方法を知りたい人が読むべき6つの記事」で人脈作りのコツや全くの0(ゼロ)から人脈を作る方法などについて詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
7-5.起業成功にMBAは必要なのか
これもよくある質問とか聞く話です。
起業の成功に、MBAは必要でしょうか?
MBA=経営学修士=Master of Business Administration ですね。
さて、結論から言うと、私は、必要ないと思います。
起業して成功するのに、正直MBAが役立つとは思えないのです。
理由は、私の経験上によるところが大きいです。
- 私は、MBAを持っていない
- 私の知人の中で起業して成功している人でMBAを持っている人はいない
- MBAを持っているが起業で、失敗している人の方をたくさん知っている
ちなみに、元マッキンゼーのコンサルタントでもありMBAホルダーのDeNAの創業者:南場智子さんが、著書の中で次のように言っています。
「MBAやコンサルタント時代の経験は起業に際しては、ほぼ役に立たない・・・全く別モノだった」と。
これは、彼女の謙遜ではなく、率直な感想だと思います。
結局、MBAは役に立たないのか否かで言うと、役に立たないわけではないでしょうが、MBAがあるから、起業の成功の確率が高まるという事には
直結しないというのが事実だと思います。
(決して、MBAの批判というわけではありませんが)
なぜなら、MBAは、既に発生した事象に対しては、分析や批評をするのには大いに役立ちますが、起業して事業を現在進行形で行っていく上においては大いに役に立つとは言えないからです。
もし、本当にMBAが起業成功に役立つのであれば、多くのMBAホルダーが起業成功しているはずですから。
ちなみに、私も、大学時代の経営戦略のゼミにおいて、ハーバードビジネススクールでも行っているケーススタディ式(実例を基に研究する)でMBAのイロハやフレームワーク(考えの枠組み)を学びました。
また、日本のMBAビジネススクールが監修・出版している著書を10冊以上、読みました。
正直、学校の教科書という感じで、知識としては知っておいても損はないというレベルです。
- 経営戦略
- マネジメント
- クリティカルシンキング
- アカウンティング
- リーダーシップ
- ファイナンス
- 組織と人材マネジメント
- 定量分析と意思決定
- ゲーム理論
- マーケティング
- ビジネスプラン
MBAの取得に時間やお金、労力をかけるのであれば、そのエネルギーを起業の準備に費やすことの方が遥かに起業成功の確率は高まると言えます。
ただし、日本のMBAとかではなく、ハーバードやスタンフォードなどの世界のトップスクールなどで取得するMBAであれば、話しは変わると思います。
それこそ、世界レベルでのビジネス能力が高い人たちが集結しているわけですから起業以外でも成功する可能性は高いと思いますが。
7-6.起業成功に自己啓発は必要なのか
自己啓発については、色んな見解があるでしょうが、私は、シンプルにこういうものだと理解しています。
「自分にとって、難しい問題が発生した場合自己解決するできる能力を日々高め鍛え続けるということ」だと。
そう、認識しています。
私の自己啓発についての見解は必要かもしれないが、直接的に自己啓発によって、起業成功の確率を高めるものではないということです。
つまり、自己啓発=自己研鑽 であり自己啓発をしようと思って、何かに取り組んだりする必要があるということではないと思います。
モット言うと、起業して成功している人は、ごくごく当然だと思って日々、自己研鑽に励んでいるのは間違いないです。
7-6-1.起業成功に自己啓発が必要か不要かの話になる原因
こういう議論というのは、結構あります。
ではなぜ、そういう議論になるかというと、そもそもの“自己啓発”というものが具体的かつ有形なものではなく、抽象的かつ無形なものであることが必要・不要の議論になる大きな原因です。
また、自己啓発には、効果に即効性があるわけではなく、精神面や考え方などをしっかりとしたモノにするにはそれなりの時間を要します。
もし、1冊の本やセミナーで瞬時に「効果があった~」と、なっている人がいるとしたらそれは、ほぼ洗脳されているだけです。
ただ、答えとしていえるのは、自己啓発が必要だと思う人、不要だと思う人、どちらも正しいということです。
こればかりは、平行線であり価値観の問題だと思います。
8.まとめ
起業して成功するというのは、偶然ではなく、成功するべくして成功しているわけです。
恐らく、起業して成功しない人は、ここに書かれているようなことを知らないはずです。
起業前に、この本文にある内容を知っておくのと知らないのとでは、起業の結果において、大きな違いがあります。
是非、ここに書いてある通りに、起業成功の原因を深く理解して実践していってほしいと思います。